<巨人8-2広島>◇25日◇東京ドーム

 2年ぶりのヨシノブ弾だ。巨人高橋由伸外野手(35)が4点リードの7回、広島青木勇から右翼へ今季1号2ランを放った。公式戦での本塁打は08年9月23日の広島戦以来、579日(1年7カ月)ぶり。腰の手術を乗り越えた男の待望の1発でダメを押し、首位巨人は今季初の5連勝。貯金を9に伸ばし、勢いに乗って27日からの9連戦に臨む。

 ひざ下の変化球にも、高橋はタイミングを崩されなかった。6-2の7回2死一塁、カウント2-2から青木勇のスライダーを振り抜いた。117キロの遅い球に間合いをあわせ、スッとバットを出した。軽く振ったように見えながら、打球はグングン伸びた。芸術的なスイングで右翼席へ。昨季は腰痛で1打席のみ。2年ぶりアーチに「覚えてないなあ」と苦笑いしたが、待望の1発だった。

 本塁打の前は3三振。ハーフスイングの微妙な判定もあったが、すべて空振り。「全然あってなかった」。繰り返すわけにはいかなかった。通算265本塁打目の打席、直前の1球も同じ低めスライダーに空振りした。すぐ対応できるのがヨシノブの真骨頂だった。

 23日からスタメン復帰。2割台前半の打率にベンチスタートが続いたが、姿勢は同じだった。「途中から行くこともある。常に行けるように」と、試合前の一塁ノックを入念にこなす。吉村野手総合コーチの強烈な打球を浴びても「試合に近いから」と歓迎。準備を怠らなかった。

 それだけ、今季に期す思いは強い。ファンも分かっている。本塁打後は「由伸コール」が響いた。ただ、本人は冷静だ。「正直ホッとした」と認めたが、こう続けた。「先はまだ長い」。シーズン通じ活躍し、初めて本当の復活。それが周囲の支えに応えることになる。3月26日、開幕の日に1本の電話を入れた。石原理学療法士。2軍で腰のリハビリを担当してくれた恩人に「お世話になりました」と伝えたが、「これからだよ」と逆に励まされた。

 原監督も「これをきっかけにガンガン打って欲しい」と量産を期待した。27日からは中日、阪神と上位チームと戦う。高橋の頼もしい打棒で、首位の座を固める。【古川真弥】

 [2010年4月26日8時33分

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