<楽天1-2日本ハム>◇3日◇Kスタ宮城
日本ハム・ダルビッシュ有投手(23)が剛球連発の完投ショーを演じた。楽天戦の2回に国内では自己最速記録を1キロ更新する155キロをマークするなど、132球中37球が150キロ超の圧巻の内容だった。10三振、5安打1失点で4連勝を飾り8勝目を挙げた。防御率は1・46、奪三振を126個に伸ばし、投手部門2冠に立った。
荒々しくマウンドに君臨した。ダルビッシュのパワーが、はじけた。薄氷の1点リードの最終9回2死二塁。唯一の適時打を許していたリンデンを、あざ笑うかのように仕留めた。カウント2-2から、ほぼ真ん中の123キロカーブで見逃し。10個目の三振でワンマンショーを締めた。「疲れはなかったですね。まだまだいけました」と余力を残し、使命を完遂した。
プロ6年目で区切りの一戦を飾った。2回2死一、三塁のピンチで、新たな領域へ踏み込んだ。中村真を2-0と追い込んだ3球目。外角高めのつり球で、ハーフスイングを誘った。スピードガンの表示は「155」。国内では自己最速記録を更新した。07年8月29日に同じKスタ宮城の楽天戦で154キロを出してから何度もタイ記録までは届いたが、ようやく壁を突き破った。
直球系はツーシームを含め132球中59球。球速が出やすい球場とはいえ37球が150キロ超えのパワー投球だった。09年3月のWBC準決勝米国戦、決勝韓国戦では100マイル(約161キロ)をマーク。「僕、160キロ出してますからね」と笑いながらも、素直に実感をかみしめた。サインとはコースが違う逆球も多かったが、奏功して打者を誘った。補って余りある球威で、ねじ伏せた。
秀でた感性が、爆発の導火線だ。今季は開幕から新スタイルをテスト。直球を微妙に動かし、打ち取るプランでスタートした。新球ワンシームも含めてボールの縫い目、回転のさせ方による空気抵抗を利用して変化させる大リーグの主流を取り入れた。転機は5月21日横浜戦。「打者の反応が変わってきている」と察知し、モデルチェンジした。4戦連続白星なしの低迷中、静かに動いていた。
その横浜戦で、4本の縫い目をきれいに使ったフォーシームを実戦に導入。登板日以外などで微調整を重ねながら磨いてきた。この日も前回登板から「体重移動の仕方を変えた」と手直しし、理想の真っすぐに到達した。「打ち取るためにはいろいろ考えていかないといけないですから」。空気抵抗や縫い目に頼らない、正真正銘の底力が快投の土台だった。7戦ぶりの2ケタ奪三振、8戦ぶりの完投勝利。野性味あふれる大黒柱に夏本番が到来した。【高山通史】
[2010年7月4日9時21分
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