<日本ハム7-0ソフトバンク>◇8日◇東京ドーム

 日本ハム武田勝投手(31)が、チームを6カード連続勝ち越しに導いた。8安打を打たれながら要所を抑え、8回無失点で今季6勝目を挙げた。ソフトバンクは6月22日にも完封しており、これで17イニング無失点。今季初の貯金2で3位ソフトバンクに1・5ゲーム差と迫り、いよいよAクラスが見えてきた。

 武田勝は「球場が球場なので低めに丁寧に投げた」。投手の基本に徹し、狭い東京ドームを支配した。ヤマ場を越えスイッチが入った。初回1死二、三塁で多村、ペタジーニ。宝刀スライダーで空振り、見逃しの2者連続三振で断った。直球にシュート、スライダー主体で絶妙に配し、チェンジアップで的を外した。「シングルは何本打たれてもいい」。狙い通り8安打はすべて単打と、しぶとく流れを止めた。

 投球スタイルのようにツボを得た、生活サイクル変更が安定感の源の1つだ。通常時はほぼ体重70キロをキープしているが、消耗が激しい夏場は意図的に増量。焼き肉や揚げ物などをカロリー計算せずに“暴食”し、2キロ増の72キロに設定。胃を拡張させるため「好きな物を好きなだけ食べる」と“逆ストイック論”でスタミナを維持する。登板間隔を1日縮めた、この日の中5日のマウンドでも平然と役目を遂げた。

 ソフトバンクには今季無傷の4戦3勝、対戦防御率は0・31。これでプロ通算38勝中、13個目の白星をもぎ取った。梨田監督が「素晴らしい展開」と、うなった会心の1勝の主役になった。パワー投手全盛の中で、希少価値が高い技巧派左腕。ミラクルVを目指す役者が、そろった。【高山通史】

 [2010年7月9日12時11分

 紙面から]ソーシャルブックマーク