<西武3-2日本ハム>◇14日◇西武ドーム
試合中にせっせと動いた西武渡辺久信監督(44)が、最後は歓喜の輪にゆっくりと歩を進めた。今季4度目のサヨナラ勝ちに「先頭打者の大事さがあらためてわかった」としみじみ言った。勝って胸をなで下ろしたが、いずれも先頭打者を四死球で出した9回の攻防に野球の怖さを再確認した。
守護神シコースキーを投入した同点の9回、最大のピンチを背負った。先頭を歩かせるなど3四球を出して2死満塁。渡辺監督が珍しくマウンドに走った。「お前で落とすことになってもおれは後悔しない。思いきって腕を振ってこい」と伝えた。熱いダイレクトメッセージで、両リーグ最多24セーブ右腕がみるみる自信を取り戻す。目の色を変えて、坪井から三振を奪い「大事な場面で使ってもらっている監督の信頼にこたえられてうれしい」と胸を張った。
流れを大きく変え、サヨナラを呼び込む。その裏に、先頭の中島が死球を受けて出塁。1死満塁となり、高山の強烈な二塁正面のゴロを田中がはじいて、熱戦はあっけなく幕を閉じた。好調な日本ハムの逃げ切りを阻止したのも、攻撃的な采配からだった。追撃の適時打を放っていた平尾に代え、6回に代打で送った石井義が同点ソロを放った。「まさかあそこで呼ばれると思わなかった」と驚かせたが、前日に守備で犯したミスを帳消しにした。失敗を取り返すチャンスをすぐに与える“ナベQ”采配の真骨頂。会心の試合運びで、両リーグ最速50勝に到達した。【柴田猛夫】
[2010年7月15日8時19分
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