ロッテが阪神、メジャーリーグで活躍した藪恵壹投手(41=元ジャイアンツ)の入団テストを近日中にも行うことが21日、明らかになった。前半戦最終戦のこの日は日本ハムに勝ち、首位西武に2ゲーム差の3位で折り返した。西村ロッテ1年目の逆転優勝も十分可能性ある好位置ターン。後半戦で巻き返すための起爆剤に、球団は経験豊富な右腕に白羽の矢を立てた。テストの結果が良ければ、7月31日のトレード、新外国人選手獲得期限ギリギリでの駆け込み入団になる見込みだ。

 ロッテが、混パを抜け出すための行動に出る。CS進出、さらにはリーグ優勝のために、飽くなき補強を追求する。獲得期限7月末が迫る中、球団が白羽の矢を立てたのは、経験豊富な藪だった。近日中にも入団テストを行い、コンディションを確認、吟味した後に獲得を検討することになる。この日、札幌ドームでの日本ハム戦に帯同した石川運営本部長は「テストするのは事実です。テストだから獲得するかは分からないが」と話した。

 藪は05年に阪神からアスレチックス入りし、1年目に4勝をマークしたがその年のオフに自由契約。09年の7月には、ジャイアンツ傘下3Aフレズノを解雇され、それでも現役続行を希望していた。5月の下旬には「現役を続ける方向でやってるけど、難しい」と明かした。その上で「阪神以上の所があれば行くかもしれません」と日本球界復帰も示唆していた。ただし、シーズン開幕までに獲得を希望する球団は現れず、これまで米国内でトレーニングを継続してきた。獲得を希望する球団はなかなか現れなかったが「やれる自信はあります」と言い切り、140キロを超える直球を投げ込んでいるという。ロッテと合意に達すれば、04年以来6年ぶりの日本復帰が実現する。

 前半戦のロッテはAクラスで折り返したが、後半戦逆襲のカギは投手陣にかかっている。打線は12球団最高の465得点と爆発力をキープしている。一方の投手陣は、唐川、小野など相次ぐ先発陣のケガに悩まされた。唐川はブルペン投球を開始し、復帰も近いが、11日に背部痛で離脱した小野の復帰は未定。ローテーション投手として期待された大嶺は、20日の日本ハム戦で8失点の乱調で2軍に降格。先発は白紙となった。依然として台所事情は厳しいままだ。球団は、国内トレードも投手陣を中心に調査を続けている。すべては、西村ロッテ1年目の優勝のためだ。

 藪は日米通算91勝を挙げる元阪神のエース。41歳のベテランで実績も十分。先発か中継ぎか、起用法は調整具合によるが、ロッテに加われば、大きな戦力になりそうだ。

 [2010年7月22日8時41分

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