<巨人8-3阪神>◇21日◇東京ドーム
巨人が猛打で連勝した。連日の2ケタ安打となる11安打で8点を奪い、阪神との3連戦第2ラウンドもものにした。1点を追う6回、脇谷亮太内野手(28)が逆転の2点三塁打。2点リードの7回には、前日に右ふくらはぎ打撲からスタメン復帰したばかりの阿部慎之助捕手(31)が特大130メートル3ランでとどめを刺した。頼れる主将が戻り、首位阪神に1ゲーム差に接近。リーグ4連覇へ、息を吹き返した。
左のかかとがグイッと跳ね上がった。土煙が舞うような勢いで、阿部は力の限り地面を蹴った。「完ぺきでした」。阪神西村のスライダーをひっぱたくと、ボールは右中間席深くまで飛んでいった。2点リードの7回1死一、二塁。勝利を決定付ける3ランで、猛打ショーの最後を締めた。
自己最多を更新中の本塁打は37本まで伸びた。「つなぐ気持ちで」打って、飛距離130メートルの特大アーチ。誰もがうらやむ生粋の飛ばし屋だ。オフにその飛ばしの仕組みを再認識したことがあった。プロゴルファー矢野東(33)とラウンドした際、「どうやってボールを飛ばしているか」という飛距離談議になった。
阿部
僕の場合、インパクトの瞬間に左足を強く蹴って、最後の一押しのパワーをボールに伝えるんです。
矢野
ゴルフもそう。自分は右足だけど、大きな筋肉である下半身の力を、どうやってボールに伝達するかです。
阿部は500ヤード台後半のロングホールでも2オンするほど。競技は違えど、ドラコン上位の常連は「ボールを飛ばす共通点だと思った」と納得した。今季37本の総飛距離は4360メートル。1本平均118メートルで、ラミレスの平均122メートルにもひけを取らない。インパクト直後、垂直近くまで持ち上がった左のかかとに、自慢の飛距離の秘密があった。
首位阪神と3ゲーム差の3位で迎えた3連戦。負け越せば、優勝争いから大きく後退する可能性もあった。絶対に負けられない舞台で、本領を発揮した。6試合ぶりにスタメン復帰した前日は、貴重な追加点となる36号ソロ。連日の1発でカード勝ち越しを決めた。13日に痛めた右ふくらはぎは万全ではない。それでも、「試合に出ている以上は自分の力を出さないといけない。抑えるところは抑えてやれば、チームに迷惑はかからないと思う」と静かに闘志をみなぎらせた。
原監督も「昨日より(患部は)良くなっているようで安心しています」と喜んだ。阪神に1ゲーム差と再接近。お立ち台で、阿部は「まだ首位じゃない。チャレンジャーの気持ちで明日もぶつかりたい」と宣言した。有言実行、全力でトラをたたく。【古川真弥】
[2010年8月22日9時32分
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