<巨人3-0阪神>◇22日◇東京ドーム
巨人が首位阪神に3タテを食らわせ、ゲーム差なしに肉薄した。1回、坂本勇人内野手(21)の今季4本目となる先頭打者アーチで先制。3回には、小笠原道大内野手(36)に送りバントを命じる執念の采配に打線も触発され、2点を奪った。このリードを4投手が無失点リレーで守った。24日からは、中日を本拠地に迎え撃つ。17日からの名古屋での3連戦では全敗を喫した相手にリベンジし、首位奪回を狙う。
ベンチ入り野手15人の先陣を切って、坂本は打席に向かった。「今日は打つ」。強い気持ちでバットを握った。1回、阪神メッセンジャーにカウント2-1と追い込まれたが、低め147キロに反応。コンパクトに振り抜き、左越えに24号ソロを放った。
思わず飛び出したガッツポーズには理由があった。「最高の結果で応えることが出来ました」と笑顔を見せた。昨年12月、縁あって神奈川県内のリハビリ専門病院を訪問。交通事故や病気の後遺症のリハビリに取り組む小学生3人と出会った。「夏までに野球が出来るようになったら、東京ドームでキャッチボールをしよう」と約束。この日、彼らを招き、試合前の時間をぬって約束は果たされた。「僕も励みになるし、苦しんでいる子はいっぱいいる。1人でも多く勇気づけられたら」。ピュアな心の持ち主は、飛びきりの夏休みのプレゼントを贈った。保護者の1人は「初めてお会いしたころは車いすだったり、立って歩くのがやっとだったんです」と、そっと目元をぬぐった。
絶対に勝つ。思いは全員が共有していた。3回、原監督が執念のタクトを振った。無死一、二塁で小笠原に犠打のサイン。投手への小フライとなり、一塁走者の谷が戻れず併殺。結果は裏目に出たが、原監督は「チーム目的遂行の中で最善策と考えた」と説明した。プロ14年間で1度しか犠打を記録していない主砲に命じたことに、この一戦に懸ける指揮官の意志が現れていた。それに応えるように、続くラミレスが2点目の中前打。エドガーも左前適時打で続いた。
首位として、今季初めて阪神を本拠地に迎えた4月中旬、ラミレスは「阪神戦を特別視はしないよ。どこもジャイアンツを倒したいと思っている。僕らは常に同じように戦わないと、足をすくわれるよ」と話していた。あれから4カ月あまり。挑戦者の立場で、阪神に3タテを食らわし「1位の阪神が相手。特別な思いがあった」と明かした。
ただ、もう1つのライバルが立ちはだかる。24日から中日3連戦。前回17日からの3連戦では、敵地3連敗で3位転落を味わった。原監督は「(17日からの)名古屋で良い投球をされた後、次の3連戦で取り返した。(24日からも)しっかり準備して、しっかり戦いたい」と表情を引き締めた。坂本も「1試合1打席1球、集中してやるだけです」と同じように引き締めた。再び首位へ。そして、4連覇へ。チームの思いは1つだ。【古川真弥】
[2010年8月23日9時42分
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