<楽天4-0ソフトバンク>◇22日◇Kスタ宮城

 楽天田中将大投手(21)が10安打されながら無四球で今季初完封となる11勝目を挙げた。

 胸打つ言葉を並べた。帽子を目深にかぶって、表情を殺し、この登板にかけていた思いを田中は吐いた。

 田中

 何より…。何より一番考えていたのは、なかなか流れに乗れないチームの、何かを変えたかったのです。グラウンドに出たら年齢は関係ない。どうやって今を変えるか。マウンドで示すしかない。そう思っていました。

 覇気ない試合でライバルの姿がかすんでいく現状。相手を抑えるだけでなく、仲間にも一石を投じたかった。「守っている方々が、ピッチャーの背中を見て何かを感じてもらえたらいいと思うし、伝えたかった」と背番号18。座右に置く「気持ち」をけれん味なく前に出し、表現してみせた。三振を奪うたび、序盤から甲高い声で叫び、Kスタ宮城の濃度を上げた。「今年初めてでしたね。自然と。ああいうふうに」。自身初の無四球完封。今季ベストの114球だった。

 断固たる決意を空回りさせない。刃(やいば)を研いでいた。140キロを優に超す高速フォーク。9回にも計測した今季最速154キロ直球にまぶした。「スプリット、ですね。握りを浅くして、直球に近いスピードで、変化をつける」。8回無死二、三塁。佐藤コーチに「三振、取ります」と予告し、3番松田を3球で仕留めた140キロ。落差とスピードを同居させ、内角低めに落とし込んだ。

 身をていし、ギリギリのタイミングで反攻への契機をつくった。「まだあきらめる時期じゃない」と田中。残り31試合の重みを変えた。【宮下敬至】

 [2010年8月23日9時45分

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