<ヤクルト13-5横浜>◇24日◇神宮
ついに、ついに小川ヤクルトが借金を完済した。横浜相手に今季10度目の2ケタ得点で、圧勝。最大19あった負け越しがゼロに。借金19以上からの5割復帰は、実に44年ぶり。3位中日とは4・5ゲーム差離れているが、2年連続クライマックスシリーズ(CS)出場へ第1段階をクリア。貯金を増やし、上位に食らい付いていく。
白い下地に赤い縦ジマが映える。3度の日本一に輝いた90年代に着用した復刻ユニホーム姿のナインが、スタンドに手を振る。ヤクルト黄金時代がよみがえったかのようだ。小川淳司監督代行(52)は「僕が着てプレーするわけじゃないんで。選手はどう感じたか分かりませんけど…」と実感はない様子。それでも伝統の“戦闘服”で、3度目の挑戦で勝率を5割に戻した。
黄金期を支えたOBの応援歌にも後押しされた。3回、打線が往年の強さを見せつけるように打者一巡の猛攻だ。1番青木、2番田中が連続内野安打。飯原の犠打で1死二、三塁とする。「大洋たおせー、オー!」。懐かしいチャンステーマに乗って、4番に定着したホワイトセルが中前適時打で先制。続く畠山も左翼フェンス直撃の適時二塁打で続いた。この回、横浜に守りのミスも出て6点。これ以上ない理想的な攻撃の展開で一気に試合を決めた。7回にも打者一巡の攻撃で6点を奪い、容赦はなかった。
これで本拠地・神宮では10連勝。90年代の野村ヤクルトに匹敵するほど、今の小川ヤクルトは強い。8月は破竹の10連勝を飾るなど、後半戦は18勝6敗と驚異的に追い上げ、高田前監督が指揮を執っていた当時に最大19もあった借金を返済した。借金19の完済は史上3チーム目。4月19日以来およそ4カ月ぶりに勝率5割復帰を果たした。
小川代行はヘッドコーチだった今季序盤、高田監督と選手のパイプ役になれなかったことを今でも悔やんでいる。「気を使ってしまって、あまりコミュニケーションが取れなかった。どうやって監督の考えを伝えたらいいのかと、考えすぎてうまくいかなかった。自分にも責任がある」。反省を踏まえ、選手やコーチの意見を積極的に取り入れて戦略を立ててきた。前半戦終了後の7月23日には、高田監督に電話で前半戦の結果を報告。「チームが勢いづいて良かった。これからいい方向に向かっていくと思う」とねぎらわれた。前監督の期待に応えるように、チームは強いスワローズに生まれ変わった。
それでも小川代行は浮かれない。「144試合で5割ならともかく、今日で終わりじゃないんで。今日の勝ちを生かすのも、明日次第です」。クライマックスシリーズ進出という目標がある。【由本裕貴】
[2010年8月25日8時20分
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