<横浜1-2阪神>◇16日◇横浜
がけっぷちの阪神が息を吹き返した。1点を追う8回、藤村富美男の持つ球団最多のシーズン191安打に並ぶマット・マートン外野手(28)のメモリアル安打を突破口に、1死二塁から3番鳥谷敬内野手(29)の三塁打で同点。続く新井貴浩内野手(33)の中犠飛で勝ち越し、横浜に逆転勝ちした。ヤクルトに敗れた巨人に代わって一夜で2位に再浮上した。18日から巨人(甲子園)中日(ナゴヤドーム)と負けられない6連戦に挑む。
最下位の横浜に、あわや3連敗の危機を逃れただけではない。阪神が大逆転での5年ぶりの覇権奪回に向けて、大きな意味のある1勝を奪った。
先制点をとられた直後の8回だ。ひたむきなプレーで結果を残してきたマートンが、無失点投球を続けていた横浜加賀の直球をとらえた。右翼線へ、球団記録に並ぶ191安打目で突破口を開く。平野の犠打で1死二塁となって3番鳥谷が打席に入った。カウント1-0からの加賀の内角スライダーをフルスイングではじき返し、打球は右翼フェンス上段に直撃した。「毎回、チャンスで打ててなかった。球種どうこうよりも(先制点を)とられた後ですし、何とか接戦で勝機をしっかりとりたかった」。大きく跳ね返ったボールを見て、一気に三塁まで到達。起死回生の同点三塁打で虎が息を吹き返した。
続く新井も4番の仕事を果たした。カウント1-1から高めスライダーを強振。飛距離十分の犠飛で三塁走者鳥谷を生還させた。「コントロールが良かったので積極的に振っていこうと思っていた。ちょっとだけスライダーが甘くはいってきた」。今季101打点目はチームを救う勝ち越し点で、自己記録の102打点(07年)に王手をかけた。2人の活躍に、城島は「あれが3、4番の仕事ですよ。6、7番にはできませんよ」と感謝した。
逆転優勝に向けて、チームの象徴・金本が「先発落ち」を志願していたことが分かった。15日の横浜戦後、真弓監督は「肩の状態が良くないから、それが打撃に影響している」と説明し、打撃不振によるスタメン落ちとみられていた。だが、すべてはチームのことを第一に考える金本らしく、自ら先発を外れる覚悟を決めて首脳陣に伝えていた模様だ。4月18日に連続試合フルイニング出場が途絶えた因縁の横浜戦で、5年ぶりの優勝のための決断。2日続けての代打出場で安打は出なかったが、アニキの思いが、チーム全体へと広がらないはずがない。
逆転の白星を挙げて18日からは巨人、中日との6連戦を迎える。数字上は厳しいが、6連戦6連勝なら中日を抜いて首位に立てる。鳥谷が「負けてより勝っていったほうがいいです」と言えば、新井も「(3連敗とは)全然違う。よかった。(今後は)1戦1戦だから。大事な試合が続く」と力強い。真弓監督は「ものすごく大事になる。本当にしっかりと1戦1戦、何とか勝ちたい」と、一戦必勝の覚悟を示した。5年ぶりのリーグVをかけた最大のヤマ場に向かう。
[2010年9月17日8時16分
紙面から]ソーシャルブックマーク



