<ロッテ3-0ソフトバンク>◇16日◇千葉マリン

 福岡で胴上げだけはさせんばい。ロッテに惨敗したソフトバンクが、本拠地・福岡ヤフードームでの西武3連戦3連勝へと照準を合わせた。この日は攻守ともに精彩を欠く敗戦。首位西武との3・5ゲーム差を詰められず、優勝マジック減らしにも貢献してしまった。これで対西武最終カードの奪首チャンスはついえたが、秋山幸二監督(48)は「ガチンコ勝負だ。そういうところで力を出せるかどうかだ」と意地を見せることを宣言した。

 もう失うものはないはずだ。ロッテに負けた。西武敗戦で3・5ゲーム差は変わらなかった。だが、18日からの本拠で胴上げを目の当たりにするかもしれない絶体絶命のピンチも変わらない。それでも、20分の雨天中断を挟んだ敗戦を見届けると、指揮官は前だけ見つめながら移動バスへと歩を進めた。

 秋山監督

 (西武と)ガチンコ勝負だ。そういうところで力を出せるかどうかだ。今日はらしくないプレーが続いた?

 そうそう。こういうところで力を出せるかだな。これが経験になる。

 ただの1敗ではない。西武の優勝マジックは4になった。最短で19日に獅子の優勝が決まる瀬戸際。払った代償は大きすぎるが、西武とのしびれる直接対決を目前に、3位ロッテとの千葉決戦を終えたことを、指揮官は「経験」と例えた。

 このロッテ3連戦では重圧に負けた。先発山田は腕が振れず、自己最短の1回2失点KO。7回の守備では、捕手山崎がまさかの三塁悪送球によるタイムリー失策。まるで呪縛にかかったように、萎縮したプレーの連続だった。この3連戦でホークスは、3つの適時失策を犯した。すべて平凡な送球ミスだ。正念場で通常のプレーができなければ、大逆転Vなどつかみ取ることはできないだろう。

 打線もゼロ行進だった。今季8度目の0封負け。6番松中、7番長谷川、8番松田、9番山崎がノーヒット。主将小久保や好調多村にも得点圏に走者を置いて打席が回るなどチャンスはあったが、ここぞの1本が出なかった。3安打猛打賞をマークした小久保の言葉が象徴的だ。「3本打ったけれど、あそこ(3回2死二、三塁で三ゴロ)で打つのがオレの仕事。今日はオレのところと、(6回2死満塁での)長谷川のところ」。ナインを代表するように主将は責任をかぶった。

 もちろん、ホークスにも意地があるはずだ。小久保が力を込めて言った。「目の前じゃ(胴上げを)見たくないという気持ちだけでやりますよ」。秋山監督はバスに乗り込む直前に、報道陣に尋ねた。「西武は負けたのか?」。西武敗戦の一報を確認すると、「よしっ」と声を振り絞って、移動車に消えた。力を出し切って“ガチンコ勝負”で負けたのならば、悔いも残らないだろう。自滅でのV逸など誰も見たくない。

 [2010年9月17日11時15分

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