<日本ハム3-0楽天>◇16日◇札幌ドーム

 日本ハムの武田勝投手(32)が、自身8連勝でチーム単独トップの13勝目を挙げた。7回を投げ、7安打を許しながらも要所を締め、楽天打線を無失点に抑えた。クライマックス(CS)シリーズ進出へ負けられない戦いが続く中、粘りの好投で左腕エースとしての働きを存分に発揮した。3位ロッテにゲーム差1のままピタリ追走。もう1チームのライバル、5位オリックスとの18日からの直接対決4連戦でCS圏浮上を狙う。

 自身8連勝を成し遂げ、シーズン終盤の大事なゲームを制した武田勝だが、対局を振り返る棋士のように、淡々と言葉を並べた。「強い気持ちでいけました。どんどんインコースを突いていけたのがよかったです。(相手が)早打ちで、積極的にきているのは分かっていました」。7回94球無失点で“投了”。中5日の疲れも感じさせず、チームトップに立つ13勝目を手にした。

 イメージを逆手に取り、翻弄(ほんろう)した。楽天戦の登板は今季6試合目。「対戦が多いので、基本にかえってストレートで」。これまで決め球に使ってきたチェンジアップやスライダーを減らし、打者の懐に次々に直球を投げ込んだ。“敵陣”に大胆に手駒を打つ戦法は、相手の“囲い”を崩壊させた。4回には連打で無死一、三塁のピンチを背負ったが、127キロの直球で“飛車角”山崎のバットをへし折ると(投直)、さらに2死満塁の場面でも、高須に4球ストレートを続けて見逃し三振に仕留めた。梨田監督は「すごく安定している。イニングの途中では代えたくない。それくらい信頼している」と褒めたたえた。

 防御率は2・41となり、楽天田中を抜いてリーグ2位に浮上。チームも3位ロッテに1ゲーム差のまま踏みとどまったが、武田勝には1つだけ悔いがあった。歓声に包まれたお立ち台。「連勝を伸ばしていけるように、がんばって♪♯※〒☆◆」。大事なところで思いっきり“噛(か)んだ”。「もうちょっとだったんですけど…。試合は締めても、締められなかったですね。いつも“噛む”んです」。残り少ない登板機会で、再びお立ち台にあがるという課題ができた。残り9試合。CS争いは待ったなしだ。【本間翼】

 [2010年9月17日11時32分

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