<中日1-6阪神>◇23日◇ナゴヤドーム

 阪神が中日の自力優勝を消した。1回2死満塁で、城島健司捕手(34)の左前打で2点を先制。鬼門ナゴヤドームで31イニングぶりに得点を奪うと、4試合ぶりの2ケタ安打で6得点。負ければ中日に優勝マジックが点灯していた一戦で意地を見せ、巨人を抜いて2位に再浮上した。残り10試合で全勝なら中日、巨人を勝率で上回る。状況は厳しいが、奇跡の逆転優勝へ望みをつないだ。

 阪神城島が鬼門の呪縛(じゅばく)を打ち破った。初回2死満塁。中日吉見の内角高めフォークを振り払い、左前へ先制の2点適時打を放った。「新井流でいうと『食らいついていきました』。昨日、一昨日と0点だから。チームにとってもよかったんじゃない」。捕手の年間安打数で土井垣武が持つ48、49年の球団記録に並んだ155安打目を「全然知らなかった。何でも1番はいいけど、タイ(記録)は1位とはいえないよ」と笑った。

 大事じゃない試合なんてない-。それが城島の口癖だ。マリナーズで、喜怒哀楽を出さないイチローを見てきた。「イチローさんは大事じゃないヒットはないという。6本目も92本目も大事。その積み重ねが200本。その考え方は正しいと思う」。その上で「試合も同じ。5月や6月の試合があって、9月をこうやって戦っている」と振り返る。「また首の皮一枚つながったね」。これまでの積み重ねがあるから、まだ、しびれる戦いを続けられる。

 城島がナゴヤドームで31イニングぶりとなる得点をたたき出すと、首位攻防戦2連敗で重苦しかった雰囲気は、ガラリと変わった。3回1死、鳥谷が低いライナーで左中間を破った。二塁打と思われたが、中日の中堅英智の油断を見逃さない。0-1で敗れた22日、2度の得点圏で凡退し「自分が1本打っていれば勝っていた試合」と、くちびるをかんだ選手会長は「二塁を回った時に(内野送球の)ボールが浮いたのが見えた」と、激走で三塁を強奪した。続く4番新井は体勢を崩しながら中堅へ犠飛。6試合ぶりの自己最多タイの102打点目で、試合の流れを完全に引き寄せる3点目を奪った。

 「なかなか点が取れてなかった試合で、最初の2点で弾みがついた。流れが来たね」。真弓監督は凡退続きだった打線がトンネルから抜けだし、久しぶりの笑顔を見せた。ここまで今季1勝10敗だったナゴヤドームで快勝し、リーグ制覇に望みをつないだ。それでも、1敗もできない状況に変わりはない。「これまでと同じだ」と、指揮官は喜びの感情は抑え、表情を引き締めた。

 鬼門のナゴヤドームでの公式戦は終了した。苦手意識を持つ舞台はもうない。残り10試合で全勝なら優勝に手が届く。かすかな可能性を信じ、11連勝でのフィニッシュに向けて突っ走っていくだけだ。

 [2010年9月24日11時52分

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