<楽天2-3西武>◇25日◇Kスタ宮城

 主砲の意地で西武が踏みとどまった。中村剛也内野手(27)は「ここまで来て、1日を後悔してもしょうがない。前だけを見てました」。負ければ、ソフトバンクの結果次第で優勝が決まる危機を、今季3度目となる1試合2発の「おかわり弾」で救った。

 同点の6回。左翼席最前列に22号勝ち越しソロを放った直後、仙台の曇り空に明るい光が差し込んだ。「今日のラズナーから連打は難しいと思ったので、打てて良かった」とチームに希望の光を照らした。9回に1点差まで詰められただけに、8回に放った右中間へのソロも値千金だった。9月はKスタ宮城で4戦連発5本塁打。「たまたまです」と素っ気ないが、栗山から「本拠地に帰ってきたな」と言われるほど抜群の相性を発揮した。

 手術前は届かなかったコースだった。1本目は変化球、2本目もシュート気味の直球といずれも外角球を沈めた。6月、ひじの手術経験がある工藤に「ひじが伸びなくて、外の変化球に届かないんです」と相談すると、「手術すればそれはなくなる」と返され、迷いも吹っ切れた。メスを入れてでも打ちたかった外角のボールを仕留めた。

 泥沼の連敗を5で止め、首の皮一枚つながった。CS進出を決めた渡辺監督は「しんどかったけど、狙いはそこじゃない。自力優勝がなくなったけど、選手には『相手のことは考えず、うちが勝てばいい』と言った。気分的に呪縛(じゅばく)が解かれたかな」と胸をなで下ろした。わずかでも優勝の可能性がある限り、不屈の獅子はあきらめない。【亀山泰宏】

 [2010年9月26日8時41分

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