<日本ハム0-1ソフトバンク>◇25日◇札幌ドーム

 執念のダル撃ちだ!

 ソフトバンク川崎宗則内野手(29)が、値千金の一打で優勝マジックを1にした。0-0の同点で迎えた7回表。2死二塁で、日本ハム先発ダルビッシュ有投手(24)から左前適時打を放ち、両チーム唯一の得点をたたき出した。初回に今季188安打目をマークし、球団最多安打記録を更新。189安打目が決勝打になった。通算1000試合出場の節目で、名実ともにホークスNO・1ヒットマンとなった。

 本能がバットを振らせた。0-0の7回表。2死二塁で打席に入った川崎がダルビッシュが投じた初球を迷わず打ちに出た。内角高めのカットボール。体方向に突き刺すように迫ってくるその球に対し、体に巻きつけるようにスイングしたバットをぶつけた。打球はジャンプした遊撃手のわずか上をすりぬけ、左前へ落ちた。息詰まる投手戦で、虎の子の1点をもぎとった。

 川崎

 初球から積極的に打つだけ。ダルだから、すごい球を投げてくる。カットボール?

 イメージなんかない、必死だった。

 必死に食らいついていったのは事実だが、イメージはできていた。前回対戦した11日の試合は完投負け。試合後、ダルビッシュとも頻繁にやりとりを行うツイッター上でリベンジを誓った。「低めのカットはストレート回転なのになぜ落ちる。次は打つ、練習や」。普段から「直球はいつもダルビッシュ」をイメージして打撃練習を行っている。ティー打撃でも内角球を逆方向へ打ち返す練習を繰り返し、有言実行のリベンジに成功した。

 名実ともに球団No.1ヒットマンとなった。初回の内野安打で今季188安打目。47年ぶりに球団記録(63年=広瀬叔功)を更新した。7年前の03年優勝時はレギュラーに定着したばかりの22歳。あどけない顔でいまだに女性人気は衰えることを知らないが、あの時の優勝とは違い今はチームを引っ張る存在になった。

 今季から選手会長にも就任、若手選手からも兄貴的存在として慕われる。前日24日には、札幌市内で城所の誕生会を開催した。弟分を祝うとともに「明日(25日)決めるぞ!」と自ら盛り上げ役となり、出席者を鼓舞した。

 Vを決める26日の最終楽天戦で、プロ初の全試合出場も達成する。18日からの西武3連戦を観戦した鹿児島工時代の上原義孝元監督(62)は「最近、本当に疲れてて家に帰ったらすぐ寝てますと言っていた」と教え子を心配していた。西武3連戦では2安打と精彩を欠いたが、ここ2試合で5安打。最後の力を振り絞るタカの元気印が7年ぶりの歓喜をもたらす。

 [2010年9月26日12時10分

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