<日本ハム0-1ソフトバンク>◇25日◇札幌ドーム

 日本ハムが痛恨の1敗で、再び4位に転落した。エース対決となったソフトバンク戦で、ダルビッシュ有投手(24)は今季13度目の2ケタ12奪三振、1失点で完投したが、打線が杉内に今季4度目の零敗を喫した。ダルビッシュはレギュラーシーズン最後の先発で防御率、最多奪三振のリーグトップをほぼ確実にしたが、7回に川崎に許した左前適時打が致命傷になった。5年連続のクライマックスシリーズ(CS)進出へ、残り2連勝して天命を待つ。

 記憶にも記録にも残る力投は、無情だった。ダルビッシュが、はかなく散った。1点を追う9回1死一、二塁。アイシングしながら三塁側ベンチにたたずみ、終戦を見届けた。レギュラーシーズンの最終マウンド。12三振を奪っても、1点しか失わなくても、敗者になった。「杉内さんがどういうガッツポーズをするのか、見ていた。仕方ない、あの1点も仕方ない」。気丈に現実を受け入れた。

 エース対決。2人の世界だった。初回2死満塁のピンチをしのぎ、エンジンがかかった。2回以降は全身全霊の力と技、知能を注ぎ込んだ。「打者に当てさせないというか、当てられないんじゃないかな」。なりふり構わずに飛ばし、確信通り三振を量産した。6回までに11K。「ちょっとスイッチが入っていたね」。梨田監督が交代の打診ができないほどのオーラで、杉内と向き合った。

 痛恨の制球ミスが分岐点だった。7回1死から、それまで2三振の長谷川。カットボールで死球を与えたのが致命傷になった。2死二塁とされ、川崎に高めに入った同じカットを左前へ運ばれた1点が、激しい投手戦を分けた。試合前まで杉内と209の同数で並んでいた最多奪三振のタイトル争いでは振り切った。防御率1・79として2冠をほぼ確実にしたのが、心の痛みを少しはやわらげた。

 また飛躍した6年目に、まず区切りをつけた。「今年は勝てていないんで」と12勝8敗と不本意も、軌跡は色あせない。4年連続でシーズン防御率1点台は2リーグ制後は金田、稲尾以来51年ぶり3人目。21世紀初の達成者になった。「打者の技術が飛躍的に向上している現代野球ですから」。少しは納得したが、すぐ激戦に後ろ髪ひかれた。「今日で今季は最後だったかもしれないんで」。CS進出で、もう1度マウンドに立つ日を、あとは祈るしかない。【高山通史】

 [2010年9月26日11時20分

 紙面から]ソーシャルブックマーク