「楽天星野監督」の誕生に追い風だ。阪神坂井信也オーナー(62)が2日、神戸市内の自宅前で、星野仙一SD(63)が、楽天の来季監督の有力候補に浮上していることについて、初めて言及した。「よく知らないけど、星野さん自身の話。うちはSDとして続けてほしいけど、本人の意思だから、もしも相談があったら聞いてみないと」と話し、基本的には本人の意向を尊重する考えを示した。

 楽天の監督候補に挙がっているのは星野氏、東尾修氏(60)と桑田真澄氏(42)の3人だが、筆頭候補は星野氏だ。楽天は、候補者の中で優先順位を付け交渉に臨む意向。その際の基準は(1)監督経験(2)チームを立て直し、勝てる(3)ファンがわくわくするような魅力ある人物の3点。(1)の基準では桑田氏が1歩後退する。(2)のポイントでは、常勝西武を率いた東尾氏と、低迷期の阪神を再建、優勝させた星野氏で微妙に異なる。

 楽天側は、SDという要職に現在籍を置く星野氏の立場と、阪神球団に迷惑の掛からぬよう、最大限配慮している。この日真弓監督の続投が判明。阪神の来季骨格が定まったことは、礼を尽くして星野氏にアタックをかける上で大きな後押しとなる。さらに楽天は大型資金の調達も覚悟している。星野氏の場合、08年北京五輪と同様、田淵幸一氏(64)ら大物スタッフも同時入団することが有力視され、その分の資金も調整中という。

 この日、Kスタ宮城の球団事務所で米田球団代表は「選手を惑わせることのないよう、早く決めたい」と話した。阪神の今シーズン終了を待って、可及的速やかに交渉に入ることになりそうだ。

 [2010年10月3日8時16分

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