FA戦線もオレ流だ。中日落合博満監督(56)はFA宣言選手との交渉について慎重な姿勢を貫いた。宣言選手が公示された17日、他球団はドタバタと交渉日時を決めるなど動き始めた。だが、オレ流指揮官は具体的な選手名を封印し、泰然自若としていた。

 「まだ、見ていない。ルール通り。勇み足のないように。まだ日数過ぎてからじゃないとな。動けるようになったら動くよ」。

 西川球団社長も指揮官に歩調を合わせるように「まだ決めていません。監督と明日にでも会って、それから決めます」と慎重な発言に終始した。

 すでに現場とフロントの間ではオリックスからFA宣言した後藤光尊内野手(32)を最大のターゲットにすることが確認されている。森野、和田、ブランコの前後を打つ左打者というのが最大の補強ポイントで、それに合致するのが後藤なのだ。

 ただ、決して焦ることはない。球団関係者が「今は水面下で話を進めるのが主流。会うときはサインする時だよ」と話すように水面下でじっくりと条件を煮詰めて、交渉した時にはスムーズに合意するというのが“オレ流FA交渉術”。07年オフに西武からFA補強した和田も12月に入ってから初交渉。わずか20分間の交渉で合意に達した。

 3年ぶりにFA補強を解禁した今オフも、後藤に対して同様のアプローチをするとみられる。活発に動く他球団とは一線を画し、静かに、そして確実に補強を成功させる。

 [2010年11月18日11時14分

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