佑ちゃんに、強力な「個人コーチ」が誕生した。日本ハムのダルビッシュ有投手(24)が4日、ドラフト1位斎藤佑樹投手(22=早大)のアドバイザーに名乗りを上げた。プロの打者のレベルに対してやや不安を吐露していた斎藤に、配球などの持論をあますことなく伝授する考え。13日韓国サムスン戦(名護)から実戦調整がスタートするだけに、心強いサポートになりそうだ。

 ダルビッシュが、日本のエース右腕としての「虎の巻」を授けることになった。この日、オフを返上してウエートトレーニングなどを敢行し、佑ちゃんの英才教育プランを披露した。「1つ言えることは、プロと大学生は違う」と断言し、少しずつ実戦教育へと本腰を入れていくことを明かした。

 独自のエース哲学を、あますところなく伝えていく。斎藤は予定では13日にサムスン相手に実戦デビュー予定。同じ先発ローテーションの候補として、適性を見極められていくことになる。逆転の発想が、まずは土台になっていると力説した。「最高のボールを打たれることもある。甘い球でどれだけ打たれないか。それには配球、球の質が大事」。技術レベルが高いプロの打者のミスショットを誘う自力の向上が、まずは先決と道筋を示して見せた。

 すでに具体的に提案する青写真も描いていた。斎藤の球種はスライダー、フォークを軸に多彩。本格派のようだが器用で技巧派の一面も持つダルビッシュのスタイルと重なる部分も多い。自身の経験則から、斎藤に対しては「球種がいっぱいあるよりも、スライダー、カーブだけでも2種類ずつあったほうがいい」と助言。流行中の“断捨離(だんしゃり)”のように、球種の多さよりも、1つ1つの精度が重要と、まずは結論づけた。

 実戦マウンドに立つ前に、佑ちゃんにとっては貴重な意識改革を受ける機会になりそう。1月の新人合同自主トレでは「今までスライダーを振っていた大学生が、プロになると振らなくなると聞くので、三振(の数)が少なくなると思う」とやや不安を口にしていた。それを解消できる。この日のオフは完全休養。思考回路を明確にできるバイブルを生かした「ダルビッシュ佑」として、目標の開幕1軍へ突き進む。

 [2011年2月5日10時8分

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