屈辱の強制送還を大ブレークにつなげる。ソフトバンク福田秀平外野手(22)が“今季1号”で開幕1軍をアピールした。29日、ロッテとの練習試合で5回の守備から途中出場し、迎えた8回の第1打席。1ストライクからロッテ川越の内角直球を迷わず振り抜き、右翼席へ運んだ。

 「初球からドンドン振っていく意識だった。よかったです、アピールできて」。

 涙も出ないほどの悔しさが、原動力となっている。A組(1軍)に抜てきされた春季キャンプ初日。ベースランニングで右太もも裏に肉離れを起こした。秋山監督から福岡への強制送還を命じられた。キャンプ開始から数時間での離脱。「本当に悔しくて悔しくて」。福岡へ戻る飛行機では涙すら出なかった。

 リハビリ中に、3年間登板のない斉藤リハビリ担当コーチから励まされた。落ち込んでいる場合ではないと気付かされた。1軍合流直後の19日のヤクルト戦では途中出場し、オープン初打席初安打。直後には次打者の初球に二盗を決めるなど、“失態”を取り戻そうと猛アピールを続けている。秋山監督も「福田のは完璧だったね」。内外野守れるタカの佑ちゃん世代が、大ブレークを予感させている。