<オリックス2-1横浜>◇5月31日◇京セラドーム大阪

 そら、会心トレードよ。オリックス寺原隼人投手(27)が昨年まで在籍した横浜から「ふらふら」ながら初勝利を挙げた。6回3安打無失点。5月23日巨人戦では133球の9回完投勝利。1週間で抜けなかった疲労から口唇ヘルペスを発症し、下唇が赤く腫れ上がっていた。試合後のインタビューもちょっぴり元気がなかったが、気持ちで抑えきった。

 昨年12月、トレードで横浜から移籍した。意識しないと言い続けた古巣戦。それでも試合になれば「どこかでスイッチが入ったのかも」。初回先頭の石川を141キロの高速縦スライダーで空振り三振。先頭打者は1度も出さなかった。最も警戒したスレッジからの2個を含め7奪三振。今季最少タイの88球に力を絞りだした。横浜高木打撃コーチを「ウチにいる時にああいう投球をしてほしかった」と歯がみさせた。

 これで11球団から白星を挙げた。5日か6日の阪神戦(甲子園)で勝ち星を挙げれば、あとは18試合残っている楽天戦。工藤(前西武)しかいない「現12球団+近鉄」の13球団勝利への夢も膨らんでくる。木佐貫、朴賛浩が2軍降格になった先発陣で“奮投”が光った。【押谷謙爾】