<オリックス6-0ロッテ>◇28日◇ほっともっと神戸

 神戸のファンの前に胸を張り、快勝の整列だ。オリックスが連勝を5に伸ばし、岡田政権2年目で最多の貯金7を稼ぎだし、ついに2位日本ハムに1・5差に肉薄。ヒーローは、岡田彰布監督(53)も「ここに来て完封は大きいよ」とたたえた先発寺原だった。

 2回2死から角中の打球を左太ももに受けた。自分で打球を処理したが「正直めっちゃ痛かった」と振り返る。だが崩れなかった。3回2死一塁から伊志嶺を152キロストレートで空振り三振。4回2死一、二塁で角中を空振り三振。5回以降は完全投球で「真っすぐとカーブがよかった。完封は正直、うれしい」と、初の年間3度目の快投だ。

 3日日本ハム戦で11勝目を挙げたあと、3試合で2敗と足踏み。21日ソフトバンク戦は試合中に振りかぶったりセットにしたりと試行錯誤も、7回3失点で和田に投げ負けた。試合後の岡田監督の「寺原は考えすぎなんと違うか」という談話を新聞で読んだ。この日は振りかぶる投球スタイルに徹し、結果につなげた。

 監督のサポートはもう1つ。前日27日、自らウエスタン中日戦に足を運んで、左手親指を痛めて2軍調整中だった捕手の斉藤の状態を確認。「大丈夫や」と登録を決め、寺原と組ませた。同い年の女房役のリードと2安打の援護に、寺原も「いいところを引き出してくれました」と感謝した。

 「そら、気になるよ。西武の戦い方もな。でも第1はこっちが1試合1試合勝って行く」と気を引き締めた岡田監督。救援陣を休ませる完封でCS進出に弾みをつけた。【堀まどか】