<コナミ日本シリーズ2012:巨人1-0日本ハム>◇第2戦◇28日◇東京ドーム

 日本ハム武田勝投手(34)が、たった1球に泣いた。6回までに毎回の10奪三振。1回、巨人長野に許した先頭打者本塁打が決勝点となったが「バットの芯を外すことをイメージして、内角を攻め続けた。他の投手の参考にしてもらえたら」と、第3戦以降の先発陣に望みをつなぐ91球となった。

 カウント2ボール1ストライクからの4球目。高めのシュートを、右中間席へ運ばれた。「浮いたところを、うまく打たれた。逆に目が覚めて、その後は自分のリズムで低めに投げられました」と振り返ったように、それ以降長打は二塁打の1本だけ。苦手な左打者には内角攻めが効いた。阿部を封じ、前日5打点のボウカーからも2つの空振り三振を奪った。「右打者にも幅を広く使って勝負できた」と納得顔。ストライクからボールになるスライダーやチェンジアップを有効に使い、次回への伏線も張った。「今後もいいイメージで投げられると思う」と涼しい顔で言い放った。【中島宙恵】

 ▼武田勝が10奪三振。シリーズの2ケタ奪三振は昨年第1戦のチェン(中日)がソフトバンクから11個を奪って以来、16人目(18度目)。武田勝は公式戦の2ケタ奪三振が2度だけで(07年7月25日オリックス戦で11個、10年8月7日楽天戦で10個)、大舞台での快投も勝利に結びつかず。2ケタ奪三振で敗戦投手は92年第7戦の岡林(ヤクルト)07年第5戦のダルビッシュ(日本ハム)に次いで3人目。