甲子園に「ツインタワー構想」が浮上した。阪神は14日、兵庫・西宮市内で今年初のスカウト会議を行い、ドラフト上位候補にJR東日本の吉田一将投手(23=日大)をリストアップした。吉田は191センチの大型右腕で、社会人1年目の昨年から活躍。197センチの黄金ルーキー藤浪晋太郎投手(18=大阪桐蔭)との大きな2本柱が期待される。

 総勢250人、上位候補30人の中にあったのは、球団関係者が「間違いなく1巡目で消える素材」という吉田だった。青森山田では3番手、日大では2部暮らしが長く、社会人入りして開花。スリークオーターから上手へ腕の位置を上げ、角度がついた速球は最速148キロになった。昨年はエースとして社会人2大大会で準優勝に導き、都市対抗は久慈賞(敢闘賞)と若獅子賞(新人賞)、日本選手権は敢闘賞を獲得。社会人NO・1右腕に成長した。

 阪神は「藤浪の女房」の大阪桐蔭・森友哉捕手(2年)の獲得も目指し、桐光学園・松井裕樹投手(2年)や九州共立大・大瀬良大地投手(3年=長崎日大)、日本生命・小林誠司捕手(23=同大)もマークする。地元重視のチーム編成をする中で、吉田も奈良県生まれ。和田監督の大学の後輩にもあたる。将来の大きくて太いダブルエースへ、文字通り「ビッグ」なプランが持ち上がった。

 ◆吉田一将(よしだ・かずまさ)1989年(平元)9月24日、奈良・橿原市生まれ。小2から五條ドラゴンズで野球を始める。青森山田では高2と高3の夏に甲子園出場するも、登板機会なし。日大では東都2部通算8勝5敗、1部昇格した4年秋は3勝6敗。12年JR東日本入社。都市対抗では全5試合に登板して準優勝。日本選手権も準優勝。昨秋アジア選手権の日本代表。191センチ、90キロ。右投げ左打ち。血液型A。