副鼻腔(びくう)炎で1軍を離れている日本ハムのブライアン・ウルフ投手(32)が16日、復活へ向けて第1歩を踏み出した。10日間の自宅静養が明け、札幌市内の室内練習場でチーム関係者らとキャッチボール。時折、力強いボールを交えながら汗を流した。1軍離脱後、ランニングなどを含め約30分間、初めて体を動かした。「違和感はなかったです。体の感覚も忘れていなかった」と、感触は上々だった。

 想定外の事態は4日西武戦の先発マウンドで起こった。2回終了後にベンチ裏で嘔吐(おうと)。その後も続投したが、頭痛や吐き気などを訴え3回途中で降板した。「左のこめかみ辺りの頭痛がひどかった」。6日には1軍登録を外れ、札幌市内の病院で精密検査。薬を服用しながら1週間の絶対安静を命じられていたがようやく、12日ぶりに運動を再開した。

 チームメートにあやかる。この日は陽岱鋼の名言「Thank

 youでーす!!」がプリントされたTシャツを着てランニングするなど、リラックスムード。普段は寡黙な助っ人も、陽岱鋼ばりのキュートな笑顔を振りまき快調さをアピールした。「チームは苦心している。今は我慢のとき」と、完全復活へ内なる闘志を燃やした。

 カムバックへの道のりを、順調に歩み始めた。21日に再び診察を受け問題なしと診断されれば、トレーナーと相談しながら少しずつ調整の強度を上げていく。「食欲も落ちていたので、体のエネルギーを出来るだけ早く取り戻したい」。使命感が人一倍強い助っ人は、アクシデントをも吸収し、さらに大きくなって帰ってくる。【田中彩友美】