Gキラーを初戦に抜てき!

 阪神榎田大樹投手(27)が27日から始まる巨人3連戦(東京ドーム)の初戦先発を任されることが19日、確実となった。左肘の不調から2軍再調整を続けていたが、今日20日のウエスタン・リーグ中日戦(鳴尾浜)で復帰登板する予定。ここで状態に問題がなければ、今季巨人戦4戦3勝、防御率0・64の切り札が先陣を託される。

 運命の分かれ道は1週間後。27日から始まる首位巨人との3連戦は、13年シーズンの行方を大きく占うと表現しても過言ではない。宿敵とのゲーム差は現時点で6・5。追う阪神からすれば、3連戦の初戦は何が何でも落とすわけには行かない。絶対に負けられない一戦、首脳陣はGキラーに先陣を託す方針を固めた。今季巨人戦4戦3勝、防御率0・64。榎田だ。

 昨季終盤に手術した左肘の状態が万全とは言えず、7月29日に出場選手登録を抹消。約1カ月も1軍登板から遠ざかった男を、宿敵との3連戦初戦に投入する。期待の抜てきに違いない。前日18日には抹消後初の実戦形式となるシート打撃に登板し、打者6人から3奪三振。今日20日はウエスタン・リーグ中日戦に先発し、決戦に向けて着々と準備を整えていく。

 榎田

 (状態は)良くもなく、悪くもなく、という感じですかね。今日は問題なく普通にできました。フィールディング練習をしっかりできて良かった。(2軍復帰戦で)しっかり投げて結果を出して、上に上がれる状態にできればと思っています。

 この日は鳴尾浜で行われた1軍投手指名練習に参加。キャッチボールやノックなどで汗を流した。復帰戦で状態に問題なければ、中6日で27日巨人戦に向かう。チームは4連勝で盛り返している最中。さらに切り札のスパイスが投入されれば、夢は膨らむ。満を持しての青写真を崩さないためにも、あらためて気を引き締めた。

 榎田が順調に先発復帰を果たせば、同じくGキラーのスタンリッジを2戦目に大黒柱の能見を3戦目に中6日で送りこめる。左投手から右、左とバランスも申し分ない。大逆転Vへ、いよいよ迎える勝負どころ。榎田から自信の「3本の矢」をつぎ込み、まずは巨人の余裕を消し去る。【佐井陽介】

 ◆榎田の巨人戦

 4月11日(甲子園)は8回途中を2安打無失点。先発転向後の初勝利を宿敵から挙げた。同18日は東京ドームで8回途中1失点とキラー襲名の2勝目。5月8日(東京ドーム)は8四死球と乱れたが3安打と要所を抑え7回無失点。勝ち星はつかなかったが、チームは延長12回に勝ち越した。7月17日(甲子園)は、前回登板から中10日で投入され、6回1失点。同一カード3連敗の危機を阻止した。