3年目でローテーション入りを狙う阪神歳内宏明投手(20)が5日、フリー打撃に登板した。昨オフ、台湾ウインターリーグで磨いた緩いカーブを駆使し、今成、伊藤隼を翻弄(ほんろう)。直球で押しながら、要所でドロンと縦に落ちるカーブを投げ込んだ。

 「緩急をつける意識で投げている。台湾とはあまり変わっていないです」。7球中4球がボールとコントロールに課題を残すが、台湾仕込みの新カーブは有効に働いた。昨季まで投げていたものの球速をさらに落とす。これにより直球が生きる。41球目のストレートは伊藤隼のバットをへし折った。47球投げ安打性を4本。バットに当たった29球のうち、実に20球が左方向と左打者をねじ伏せた。

 「(直球は)真ん中を狙っていました。いい感じで投げられました。コントロールはまだまだだけど、球自体は良かった」

 手応えのある直球は新兵器のカーブが引き立てる。11日の練習試合・日本ハム戦(宜野座)からは矢継ぎ早に実戦が始まる。「試合でどれだけ投げられるか」と話すカーブを駆使して、緩急で相手をもてあそぶつもりだ。