<西武2-1楽天>◇23日◇西武ドーム

 星野監督の下で巻き返す。楽天は大久保博元監督代行(47)の1軍ラストゲームを飾れなかった。1-1の9回2死満塁で、5番手の福山博之投手(25)が西武浅村にサヨナラの右前打を許した。それでも、大久保監督代行は試合内容を評価。1カ月弱の1軍指揮を、8勝9敗で終えた。今日24日に現場復帰する星野仙一監督(67)にバトンを渡した。

 サヨナラ負けでも、大久保監督代行は晴れやかだった。「良い試合だったね!

 まだまだ、うちもいける」。9回のベンチの雰囲気が、うれしかった。2死満塁までこぎつけたが、最後は福山が打たれた。ただ、ベテランの斎藤を筆頭に、全員がマウンドへ声を送っていた。大久保監督代行は「(8回に同点打を打たれ)一番悔しいはずの斎藤隆が、最後まで声を出していた。大リーグ経験者だけあるね」と目を細めた。

 先発はルーキー松井裕。小関との若手バッテリーは、1回から0を重ねた。松井裕は6回、無死満塁を招き降板。すると、2番手クルーズが3者連続の空振り三振だ。最速159キロと力強かった。この日、再昇格したばかりの右腕は「状況を考えても良くはならない。とにかく、打者に集中したよ」と仕事に徹した。

 前の投手が招いたピンチを、後ろの投手が摘む。この「協力」こそ、大久保監督代行が選手に求めてきたものだった。「連敗中は、協力がなかったと思う」。個人個人がバラバラで戦うのではなく、チームとして戦う。最後となった試合前のミーティングでは「自分が周りから何を求められているか、考えよう」と呼び掛けた。各自が役割を果たした先に、白星があると信じている。

 通算8勝9敗と惜しくも勝ち越せなかったが「誰も諦めず、協力し合っている。良いチームになった」と、手応えを感じながら1軍を離れる。試合後のミーティングでは、選手たちにこう伝えた。

 大久保監督代行

 我々は、みんなのおかげで日本一のユニホームになった。課題は常勝軍団ができるかだ。ぜひ、厳しい練習に耐えて頑張ってください。

 今日24日には、星野監督が現場に戻ってくる。最下位からの奇跡へ。役者がそろう。【古川真弥】