<オリックス4-8楽天>◇24日◇京セラドーム大阪

 節目の安打で勝利に貢献した。楽天松井稼頭央内野手(38)がオリックス戦の1回、先頭で中前打を放ち、日米通算2500安打を達成。そのまま、先制ホームを踏んだ。イチロー、松井秀喜に続く日本人3人目の大記録となった。さらに、2回は逆転3ラン、8回はダメ押し打と3安打の活躍。6月末は2割4分台の打率が7月以降に急上昇。夏男のキャプテンが、最下位に沈むチームで輝いた。

 あっさりと節目に達した。1回先頭。オリックス吉田一の初球だった。松井稼は低め真っすぐ、好きなゾーンに反応した。144キロを小気味よくライナーで中前に運んだ。日米2500安打を成し遂げ、塁上で花束を手に敵味方ない拍手を受けた。三塁まで進み、ジョーンズの左前打で先制ホームを踏んだ。「監督さんはじめ支えてきてくれた皆さんに感謝したい。ここまで野球をやらせてもらっていることにも感謝します」とプロ21年間の歩みを振り返った。2回には逆転3ラン。8回には8点目のダメ押し打。乗りに乗った。

 実は、記録を知ったのは前日のこと。「あと1本なんだと。2000本の時ほどプレッシャーはなかったですね」と笑った。日本通算やメジャー通算と違い、見落とされがちな日米通算記録。細かい数字を気にせず、軽く乗り越えた。

 重圧と無縁なのか、重圧を力に変えるのか。試合前、こんなやりとりがあった。この日で左翼3試合目だったが、前日は指名打者。前々日、2試合目の左翼でミスをした。ベンチ裏で星野監督に「すぐレフト、外されとるやないか」と突っ込まれた。すかさず「昨日は出たかったんですけどね。(先発が)則本だから、飛んでこないかなあと思って」と応じ、監督を爆笑させた。一時代を築いた名遊撃手も、若い西田が伸びてきた今季は、遊撃→三塁→外野とめまぐるしい。それでも「挑戦」と外野転向を位置づける。1回裏の先頭、いきなり左飛を処理。前向きに取り組んでいる。

 12試合連続安打中。7月以降は打率3割6分1厘と打ちまくる。夏好調の理由を聞かれても「分かんない。暑いのは嫌いじゃないけど」と首をひねった。暑かろうと、寒かろうと、打てばいい。自宅のコレクション部屋に、また1つ記念球が加わったが「どれがどれだか分からない」ものもあるという。ちっちゃなことは気にしない。晴れ渡る夏空のように、大きな心で打席に向かう。【古川真弥】

 ▼日米通算2500安打=松井稼(楽天)

 24日のオリックス17回戦(京セラ)の1回、吉田一から中前打を放って達成。初安打は西武時代の95年4月9日日本ハム3回戦(西武)で芝草から。その後の2安打を加え、日本で1887本、大リーグで615本の通算2502本になった。日米通算2500安打以上はイチロー、松井秀に次いで日本選手では3人目。日本で2500安打以上は7人。