ヤクルトからFA宣言し、巨人入りを決めた相川亮二捕手(38)が堂々の「優勝宣言」だ。21日、都内のヤクルト球団事務所を訪問。移籍の決断を報告すると胸の奥に秘めた思いがあふれ出た。「優勝を経験するチャンスがあるチームにいける。精いっぱいの力を出し目標にまい進するしかないと思います」。正捕手の座の先にある、もっと大きな山を見ていた。

 優勝とは無縁で来た。98年に当時所属の横浜(現DeNA)が日本一になった時は2軍暮らし。1軍定着後は、巨人が何度も優勝する場面を見てきた。「巨人は強いと歴史が物語っている。優勝回数も断トツ。全員が優勝に向かってプレーしている」。20年の時を経て、ようやく夢実現に最も近い場所にたどりついた。

 道は平たんではない。競争相手は13歳年下で伸び盛りの小林。人気球団ゆえの重圧も待ち受ける。だが「不安があれば決断に至らない。強い気持ちを持っていく」と腹は決まっている。

 背番号は23の予定で、1年契約、年俸はヤクルトの提示を下回る7000万円プラス出来高(金額は推定)。それでも「最後まで一線で勝負できる場所があれば勝負したかった」と晴れ晴れと言った。「若い選手に押し出されたような形になったが、まだまだやっていく自信もある」。巨人に、熱く頼もしい扇の要が加わる。【浜本卓也】