思わぬ二刀流余波が浮上した。日本ハムにドラフト1位で入団する花巻東・大谷翔平投手(18)がゲーム業界にパニックを巻き起こしていることが19日、判明した。プロ野球ソフトを製作する各メーカーを苦悩させているのが、前代未聞の「エース兼4番」でのプランだ。投手と野手の両方で起用した登場キャラクターは前例がなく、入団前から対応策に苦慮。大物ルーキーの動向が早くも、異業種から熱視線を受けている。

 二刀流挑戦が、思わぬ波紋を呼んでいた。大谷に頭を悩ませているのはゲーム業界だ。これまでに「エース兼4番」の選手は皆無で、未知のキャラクター。一体、どのように登場させればいいのか-。投げれば最速160キロ、打てば高校通算56本塁打という逸材で、プロ入り後はスター候補。25日に正式契約と入団発表を控え、「日本ハム大谷」が誕生する前からフィーバーは始まっていた。

 匿名を条件に取材に対応したゲームソフト会社の関係者は「これまで、そういう選手はいませんでしたが、状況を見ながら検討していくことになる」と、苦慮している現状を説明した。ゲームは前年までの実績を基に選手データが作成されるが元来、新人は未知数。二刀流となれば前例がないだけに、なおさら設定が困難になる。どちらでブレークしていくかも不透明で、準備が滞っているようだ。

 携帯電話やスマートフォン向けのプロ野球カードゲーム「モバプロ」を展開するモブキャスト社(本社・東京)の関係者も、同様だ。「まだ何も決まっていません」。同ゲームでは投手カードと野手カードに分かれている。大谷1人で2枚登場する可能性があるが「(投手と野手)どちらに登録するかも分からないですから」(同関係者)。どちらで大谷カードを作成するか、見通しは立っていない。例年、シーズン開幕後にドラフト上位選手をルーキーカードとして登場させているが、しばらくは静観して様子を見守るつもりだ。【木下大輔】