ヤクルト石川雅規投手(30)が「茶髪&ヒゲ禁止」を訴えた。13日、東京・新橋の球団事務所で契約更改交渉に臨み、現状維持の年俸1億8000万円プラス出来高払いでサインした。今季自己最多タイの13勝を挙げたエースは4年契約の2年目となる来季に向けて「チームの決めごとについて。茶髪、ヒゲなどについて最低限のルールをしっかりしよう」と、交渉の席で、選手の身だしなみについて自ら要望を出したことを明かした。

 球団側が選手の身だしなみを指摘することはあるが、選手から申し出るのは異例。近年のヤクルトは茶髪やヒゲについては明確なルールはなく、最近は一部の選手が髪をうっすら茶色に染めたり、無精ひげを生やしていた。選手の間から、これに注文をつける声が噴出し、石川が選手会長の立場から訴えた。「今のところ乱す人はいないけど、もう1度再確認しようということ」。交渉に当たった大木常務取締役も「身だしなみを整えて、気持ち良くやった方がいい」と賛同し、具体的なルールを決めるなど、選手側と協力して徹底を図る意向を示した。

 本格的な「茶髪&ヒゲ禁止」となれば、野村監督が指揮した90年代以来。阪神や楽天で同監督の参謀を務めた、新任の松井優典2軍育成コーチ兼寮長(60)も、若い選手に社会人の常識をたたき込むつもりでいる。“風紀委員長”の石川が中心となって、ヤクルトが紳士軍団に生まれ変わるか。【由本裕貴】