2番手で登板した山本由伸投手(24)は、笑顔で激闘を振り返った。
佐々木の後を受け、3点を追う5回から登板。慣れない救援ながら、7回までの3イニングを無安打無失点。追いついた8回に勝ち越しを許したものの、「とにかく粘り強く投げようと思いました。追加点を取られて悔しいですけど、勝ててよかった。いつもと全然違う雰囲気の中でプレーできたので、気持ちも高ぶりましたし、集中して投げられました」。重圧の中での米国初登板は刺激的だった。
最速は97マイル(約156キロ)。米国のテレビ中継では、昨季まで2年連続で沢村賞を獲得した「日本ベストの投手」と紹介された。その名にたがわない、インパクト十分の「世界デビュー」だった。
サヨナラ劇の直後には、佐々木と2人で殊勲の村上の頭上に大量のスポーツドリンクをぶちまけた。「チームの雰囲気、チームワークも最高。野球人生の中でも最高の経験です」。今大会の登板を終えた24歳右腕は、最後まで笑顔いっぱいだった。【四竈衛】