日本ハム・ダルビッシュ有投手(23)に対し、メジャー球団の視察がシーズン序盤から本格化することが25日、分かった。早ければ今オフにポスティングシステム(入札制度)を利用して、米球界移籍する可能性があるという情報をキャッチした米球団が始動。名門ヤンキースなどの複数球団が、調査へ本腰を入れる態勢を整えていることが判明した。

 静かに「Xデー」へ向け、ベースボールの本場が動きだした。札幌ドームでのソフトバンクとの20日開幕戦こそ姿を見せなかったが今後、日本駐在のスカウトも含め米球団関係者が、ダルビッシュの一挙手一投足をチェックする準備を整えている。米球界関係者は「すでに能力は分かっているが、しっかりと見ておく必要がある」と明かした。

 すでにヤ軍などは編成部門のトップクラスが、来日準備を整えているという情報もある。これまでも、数球団が継続的に成長度を観察してきた。だが今季はさらに踏み込み、可能性があるとされる獲得へ向けた、シビアな評価を下す1年とにらんでいるもようだ。ポスティングの場合には入札額の目安をつけ、オフへ向けた資金の予算を立てなければいけないため、今季は本気だ。

 ダルビッシュはこの日、27日の敵地でのロッテ戦の先発に備え、室内練習場で約40球のブルペン投球。今季の2戦目で、初勝利をつかむための準備を完了した。新球の「ワンシーム」の感触を確かめ、コンディションはさらに上昇気配。千葉マリン特有の強風にも「特に気にしない」とサラリと流した。メジャーの大半を占める屋外球場だけに、早ければバックネット裏で、米球団が熱視線を送る場になる可能性もある。