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王ジャパン韓国に逆転負け、米で雪辱誓う

<WBC:日本2−3韓国>◇2006年3月5日◇1次リーグ◇東京ドーム

 王JAPANが、韓国に逆転負けを喫した。アジアNO・1での2次リーグ行きをかけた全勝対決に、王貞治監督(65)はサブマリンエース渡辺俊介投手(29=ロッテ)を先発させ必勝を期した。最少得点差の勝負の中、2次リーグを見据えた投手交代も行ったが、8回1死一塁で李承■内野手(29=巨人)に、石井弘寿投手(27=ヤクルト)が逆転2ランを浴びた。12日(日本時間13日)から米アナハイムで始まる2次リーグには、アジア2位の立場で臨む。日本代表はリベンジを胸に、今日6日、渡米する。

 アジア2位に終わった現実が、そこにあった。悔しさを刻み込むように、王JAPANの戦士たちは試合後のベンチを離れなかった。視線の先には「アジア王者」として左翼席へあいさつに向かう韓国チームがいた。「今日の厳しい試合を生かしたい。アジアを1位で通過した方が優遇(2次リーグの試合時間などで)されるが、初心に帰って、気持ちを1つにして戦いたい」。王監督は悔しさを押し殺して、敗戦を振り返った。

 たたいた石橋が、割れた。1点リードの8回。王監督は2回を無失点に抑えた杉内から、セットアッパーの石井弘に交代した。必勝を期すからこそ形にこだわった。9回の大塚へとつなぐWBC版「勝利の方程式」が完成するはずだった。だが、1死一塁から李承に逆転2ランを浴びた。「あそこは打った選手をほめるべき。8回のあそこで見事な本塁打を打つバッターとライトのヒーローが出た。そこがわれわれの敗因と言える」。2点リードの4回、2死満塁。西岡の右翼への飛球を、右翼手の李晋暎がダイビングキャッチした。一塁走者はイチロー。試合を決める3点を追加するはずが、逆に試合の流れを奪われた。

 王監督は試合終了とともに気持ちは切り替えた。今日6日は2次リーグの舞台、米国に旅立つ。「コールド、コールドで、今日も楽な勝ち方では本戦に入ったときに、楽な考えで進んでしまう。厳しい試合をして、かえって良かった」と王監督はこの1敗を前向きに受け止めた。2次リーグでは、15日に韓国と再び対決する。「そんなに得点が取れないのは分かった。15日はぜひ雪辱したい」と王監督は言い切った。

 この日は長嶋茂雄巨人終身名誉監督も観戦に訪れていた。ともに日本代表を率いたが、長嶋氏はアテネ五輪の本番を前に病に伏した。「そういう意味ではミスターも志半ばだっただろうから」。この一戦は4万353人を動員した。長嶋氏はもちろん、国民の期待も王監督は肌で感じた。最大の目標は米国で日の丸を掲げること。本当の戦いはこれから始まる。【中村泰三】

※■は火へんに華

(2006年3月6日付日刊スポーツ)







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