元赤ヘル戦士でカブスのアルフォンソ・ソリアーノ外野手(37)が、準決勝進出を決めている母国・ドミニカ共和国を分析した。カープアカデミー出身のソリアーノは、ヤンキースなどで活躍しメジャー通算372本塁打を誇る強打者。この日の日本代表戦でも先制犠飛を放つなど活躍した。代表経験はないものの、縁が深い日本と母国が対戦する可能性に心を躍らせている。

 5試合で27得点を挙げた強力打線のキーマンに指名したのはカノだ。打率5割6分5厘、6打点と爆発中とあり「苦手とするコースはないし、広角に打ち分けることができる。とにかく頭のいい打者だ。守備がいいのは知っての通り。カノが打てば、得点につながる」と太鼓判を押した。

 投手陣を支える両輪は、先発の柱ボルケスと守護神ロドニーの2人だ。一昨年まで同じナ中地区のレッズでプレーしていたボルケスとは何度も対戦経験があり「いわゆる動く球で積極的にストライクを取ってくる」と評価。ロドニーに関しても「気合の投球で締めくくってくれるから頼もしいね」と話した。

 ともすれば、エゴの寄せ集めとなりがちなオールスター軍団を率いるペーニャ監督への賛辞も忘れない。現役時代は捕手だった監督は、現在ヤンキースのベンチコーチとして活躍。勝てるチームの心得を熟知し、最高のパフォーマンスを引き出している。「短期間なのにチームがよくまとまっている。みんなが気持ちを込めて、魂を込めて戦っている。選手の気持ちをまとめ、プラスの方向に率いるペーニャ監督の存在は大きいね」。

 日本代表は広島の大先輩、山本監督が率いているが、やはり母国の初優勝を願う気持ちが強い。代表経験はないが、満面の笑みを浮かべながら「決勝は日本とドミニカ共和国の対決が見たい。もちろん優勝はドミニカだよ」と高らかに優勝宣言した。【佐藤直子通信員】

 ◆アルフォンソ・ソリアーノ

 1976年1月7日、ドミニカ共和国サンペドロ・デ・マコリス生まれ。94年11月、広島と契約し、97年に1軍へ昇格。98年9月、ヤンキースと契約。01年から二塁手として定位置確保。02年に39本塁打、41盗塁で初の「30&30」。04年、A・ロドリゲスとのトレードでレンジャーズに移籍。05年にはナショナルズ、07年にはカブスに移籍した。昨季は151試合出場で打率2割6分2厘、32本塁打、108打点。185センチ、88キロ。