<WBC:ドミニカ共和国4-1オランダ>◇18日(日本時間19日)◇準決勝◇米サンフランシスコAT&Tパーク

 勝利の女神がバナナに宿った。ドミニカ共和国が18日、オランダに逆転勝ちし、無傷の7連勝でWBC初優勝に王手をかけた。今大会6セーブ目を挙げた守護神フェルナンド・ロドニー(35=レイズ)は右手を突き出すボルトポーズを決めると、巨大なバナナを天高く掲げた。

 「バナナパワーのおかげ。『君たちの近くに僕がいれば、君たちは勝てる』と語りかけてきたんだ」。地元では「プランチーノ」と呼ばれる料理用バナナの一種で、ロドニーはこの日、母国から7時間かけてサンフランシスコまで空輸させた。試合前の選手紹介ではバナナを握ってガンマンを気取り、ブルペンでもポケットに忍ばせて願掛け。試合中も斜め45度に帽子をかぶるカリブの怪人は7登板で1安打しか許さず、MVP候補に躍り出た。

 ペーニャ監督は「バナナを最初に見たときは、彼の頭がおかしくなったのかと心配したけど、緊張感を和らげる効果があるようだ」とバナナパワーに笑った。先発して5回1失点のボルケスも「変な気分だけど、何かの力が働いている」とすっかり信じている様子。ロドニーは「(決勝戦のために)バッグにもう1本の矢(バナナ)を入れているんだ」と、心強い助っ人の存在に優勝を確信していた。