世界一を逃した悔しさは、東京五輪、次回WBCで晴らしてほしい。侍ジャパンの小久保裕紀監督(45)が23日、選手とともに帰国して、都内で記者会見を行った。成田空港では約200人のファンに迎えられた。

 1点差で敗れた準決勝の米国戦について「動くボールのスピード、動き幅。打線の状態は良かったが、ほとんど芯に当てることができないでWBCが終わった。正直、1点差以上のものを感じました」と言った。

 先発した菅野をはじめ、投手陣は世界に通用する力を見せたが、一流の投手を打ち崩す難しさを感じている。だからこそ「世界のトップのピッチャーを経験できたこともひとつの財産。今回選出した選手はまだ若い。これから数年、日本球界をけん引できる選手。(東京五輪へ)目標を高く持っていってほしい」と世界一奪還の夢を託した。

 3年半の経験を振り返り「代表監督はやさしいものではなかった」と言った。侍ジャパンが常設化されて、初の日本代表監督に就任。今大会も日本人大リーガーや日本ハム大谷が出場辞退するなど、大会ごとにチーム編成の問題に直面してきた。「いっぱいあるんですけど、なかなか会見で申し上げることはできない。そういう場所に呼ばれることがあって、意見を聞かれれば、その時に話をしたい」と、球界全体の問題として提起していく考えだ。

 今大会で日本代表監督は退く。今後プロ野球の監督を務めることには「12球団の監督と代表監督はまったくの別もの。今のところは次のことは考えられない」と話した。【前田祐輔】