WBA世界ミニマム級2位石井武志(26=大橋)が国内男子世界戦最速KOの65秒殺でベルト奪取した。同級3位ウィルフレド・メンデス(29=プエルトリコ)との同級王座決定戦に臨み、1回5秒、KO勝利。左ボディーなどでダウンを奪って仕留めた。井上尚弥のマークした国内男子最速KO(70秒)を更新した。WBA世界ライトフライ級王座決定戦は同級1位吉良大弥(23=志成)が7回TKOで同級2位カルロス・カニサレス(33=ベネズエラ)を撃破。国内最速タイの5戦目で世界王座を獲得した。
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衝撃の「最速」KOで圧勝した。開始と同時に石井は猛攻。ロープ際に詰め、左ボディーを効かせ、右強打でダウンを奪った。井上尚弥が保持した国内男子の世界戦最速KO記録を更新する65秒殺だった。最軽量級で69%の高いKO率。世界舞台で両拳の破壊力を証明した。
「尚弥さんに『オレの記録を抜いちゃったね』と言われ、うれしかった。人生で1番うれしい」
フィジカルは「ミニマム級で世界一」と言う石井が得意分野に引き込んだ。八重樫東トレーナーとのプランは「12回のフルマラソンをやる。スタミナ関係なくいく。強い自分が出た」と笑顔。所属ジムの大橋秀行会長、八重樫トレーナーが現役時に巻いたWBAミニマム級ベルトを手に「引き継げてうれしい」と雄たけびをあげた。
小学1年から9年間、野球部に所属。投手、遊撃手を務めたが「体格差がきつかった」。K-1魔裟斗にあこがれ、中学2年から野球と並行し空手も開始。高校卒業後にキックボクサーとなったものの、ベスト体重は52キロ周辺。K-1に適正階級がなく、サイズの「壁」に直面した。両親と約束し専門学校に通い、柔道整復師の資格を取得。「横浜行き」を許され、21年春に兄貴分、武居由樹を追って大橋ジムに入門した。
「ど田舎で育って、小さい時から身長も常に1番前。何の才能もなかったが、周りに支えられ、努力すれば夢がかなうことを証明できた」と感無量の表情。続々とアマエリートがプロ転向する中で「たたき上げ」が世界を取った価値は大きい。「まだ強い選手がいる。挑戦したい」。ジム6人目の世界王者という同会長の目標をかなえた石井が最強ロードに挑む。【藤中栄二】
◆国内の世界戦最速KO 男子は石井武志が2日のウィルフレド・メンデス(プエルトリコ)戦でマークした65秒。2位は18年10月、井上尚弥がフアンカルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)戦で記録した70秒、3位は平仲明信が92年4月、エドウィン・ロサリオ(プエルトリコ)戦の92秒。女子は昼田瑞希が23年6月、ケーシー・モートン(米国)戦でマークした63秒。
◆大橋ジム輩出の男子世界王者 川嶋勝重(WBC世界スーパーフライ級王者)、八重樫東(世界3階級制覇王者)、井上尚弥(世界4階級制覇王者)、井上拓真(WBA世界バンタム級王者)、武居由樹(WBO世界バンタム級王者)、石井武志(WBA世界ミニマム級王者)
<石井武志(いしい・たけし)>
◆生まれ、サイズ 1999年(平11)10月26日、福岡・うきは市生まれ。身長156センチの右ボクサーファイター。
◆スポーツ歴 小学1年から中学3年まで野球部。キックボクシングにあこがれ、中学2年から空手も開始しキックのアマ大会出場。高校卒業後にキックボクサーに。
◆キック王座 所属道場運営の大和KICK大会で52・5キロ級王座獲得。K-1に適正階級がないため、元K-1王者武居由樹の背中を追い、21年ボクシング転向。
◆たたき上げ 22年5月、2回TKO勝ちでプロデビュー。同年に全日本ミニマム級新人王、24年9月に東洋太平洋同級王座獲得。
◆海外修行 24年8月に2週間、オーストラリアに修行。五輪代表アレックス・ウィンウッドらの練習パートナーを経験。
◆家族 両親と姉兄。

