「ヤングライオン」と呼ばれる新日本プロレスの若手辻陽太(26)、上村優也(25)は今年4月でデビュー3年目を迎える。徐々に個性を表現し始めた2人に、今後の抱負を聞いた。【取材・構成=高場泉穂】

自信に満ちた表情で今後について語った上村(左)と辻(撮影・横山健太)
自信に満ちた表情で今後について語った上村(左)と辻(撮影・横山健太)

ヤングライオンの2人が個性を咲かせつつある。1月のメキシコCMLLとの合同シリーズ「ファンタスティカ・マニア」で辻はメキシコの関節技“ジャベ”を披露。一方、上村はIWGPジュニア王者高橋ヒロムへの挑戦を表明。13日の名古屋大会では試合後に高橋から急襲を受け、「もっとやれ」と歓迎された。

辻 僕はメキシコ遠征に行きたいとずっと言っているんですが、その気持ちが強くなりましたね。

上村 まさかヒロム選手が僕のコメント中に乱入してきたりとか全然思ってなくて…。後にひけない状態。やるしかないです。

今年でデビュー3年目。風貌や戦い方にも独自性が見えてきた。辻は髪とひげを伸ばしワイルドな風貌に。体も大きくなり、技1つ1つの力強さが増してきた。

辻 髪は長くなりすぎないようにしていますが、いずれは胸まで伸ばしたいんです。(エル・)テリブレさん(メキシコの人気選手)がすごく好きで。すごい野獣感があるじゃないですか。もっと迫力のある選手になりたいです。

上村は昨年、伸ばしっぱなしだった髪をカット。高い身体能力を感じさせる動き、負けん気の強さで観客を沸かせている。

上村 クラシカルな試合が好き。今だとSANADAさん、昔だと藤波さん。基本技で面白い試合をしたいです。髪はテレビ出演(水曜日のダウンタウン)の時に見た目が良くないからと指摘されて切ったんです。今後、できればモヒカンにしてみたいですね。

今年の目標を聞くと、辻は「ニュージャパン杯出場、LA道場の若手撃破、付き人を務める棚橋弘至と組んでのワールドタッグリーグ出場」の3つを挙げた。上村は「大爆発。大爆発がなんなのか分からないですけど…」と曖昧ながらも活躍への意志を口にした。

飛躍を願う一方で、雑用に追われる日々が続く。昨年10月、1つ上の先輩海野翔太と成田蓮が武者修行へ出発。それに伴い、仕事量がだいぶ増えたという。

辻 2人がいなくなったので寮のちゃんこ番は日替わり。試合のセコンドも、どちらかが試合していたら、1人でセコンドをしなくてはいけない。もちろん1人ではまわらないので、スタッフの人が手伝ってくれるんですが…。

練習、試合、雑用で日々忙しい2人の癒やしは甘いものを食べること。スターになることを夢見ながら、今年も地道に足元を固める。

◆上村優也(うえむら・ゆうや)1994年(平6)11月18日、愛媛県今治市生まれ。福岡大レスリング部時代の16年に西日本学生レスリング選手権グレコローマンスタイル71キロ級優勝。17年に福岡大を卒業し、同年新日本プロレス入門。18年4月、成田蓮相手にデビュー。180センチ、82キロ。好きな食べ物はシナモンロール。

◆辻陽太(つじ・ようた)1993年(平5)9月8日、横浜市生まれ。16年に日体大を卒業し、17年4月新日本プロレス入門。18年4月、岡倫之戦でデビュー。大学時代はアメリカンフットボール部に所属。テコンドー、野球の経験もあり。182センチ、91キロ。好きな食べ物はモンブランとクロワッサン。