立ち技格闘技が好きだ。UFCをはじめとするMMAが全盛の時代にあっても、立ち技の迫力、スリリングな試合展開、KO決着時の説得力、分かりやすさなど、魅力的な部分はたくさんある。
そして現在、立ち技の世界最高峰といえば欧州のGLORYか、アジア最大の格闘技団体「ONEチャンピオンシップ」だというファンも多いのではないだろうか。
ONEはもともとシンガポールを拠点とするMMA団体だったが、今では立ち技(ムエタイ、キックボクシング)やサブミッショングラップリングも行う総合的な格闘技団体となっている。
そんな中で近年、人気を得ているのがオープンフィンガーグローブ(OFG)で戦うムエタイだ。2011年に設立されたONEは、18年からムエタイの試合を行い、当時からOFGを導入。22年からは“聖地”ルンピニースタジアムで大会を開催するようになった。
OFG使用によって通常のグローブよりもパンチの破壊力が増した上に、ONEは王座戦以外は3ラウンド制を採用。もともとムエタイは5ラウンド制で、1、2Rは様子見のようなところがあったが、ONEでは強烈なパンチを武器に立ち上がりから積極的に攻める内容の試合が増えた。さらに派手な勝利にはボーナスが出るため、選手たちはKOを狙って激しく打ち合う。これが現在の「ONEムエタイ」の人気につながっている。
そんなONEが3月23日、さいたまスーパーアリーナで立ち技の試合多めの「ONE172:武尊VSロッタン」を開催する。武尊とロッタンがバチバチに殴り合うであろうメインイベントや、野杁正明とタワンチャイで争われるフェザー級キックボクシング暫定世界王座決定戦、“シュートボクシングの最高傑作”海人やKNOCK OUTの龍聖らの参戦など見どころ満載だが、やはりONEと言えばムエタイだ。
日本からはラジャダムナンスタジアム認定3階級制覇王者の吉成名高(24=エイワスポーツジム)がついにONEに初参戦する。吉成は昨年12月のシュートボクシング「-SHOOT BOXING BATTLE SUMMIT-GROUND ZERO TOKYO 2024」で初めてOFGで試合を行い、バックチョー・シックンナ(タイ)に1RTKO勝ち。ONEでの活躍にも期待がかかる。
ONEのチャトリCEOは、いままでなかった吉成の階級(アトム級=-52.2キロ)の王座新設を考えているという。吉成も「バッチリ僕の階級なので、狙えるチャンスがあるなら、ぜひ獲りたいですね。ベルトめちゃくちゃ格好良いんで」と話しており、そこに向けた第1歩として重要な大会となる。
【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「リングにかける」)


