8月からリング復帰したイヨ・スカイ(紫雷イオ=32)、ベイリー(33)、ダコタ・カイ(34)が「DAMAGE CTRL(ダメージ・コントロール)」のユニット名で活動中だ。主戦場となるロウ大会だけでなく、別ブランドのスマックダウン大会にも登場し、次々と女子レスラーたちに「宣戦布告」している。WWE女子部門を席巻している同ユニットの命名の由来、今後のターゲットについて予想する。

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9月3日(日本時間4日)、30年ぶりのWWE英スタジアムイベントとなったクラッシュ・アット・ザ・キャッスル(CATC)大会(米カーディフ)でスカイ、ベイリー、カイのユニット名が正式発表された。その名もダメージCTRL(コントロール)。大型画面にユニット名が表示され、新しいユニット入場曲も流れる中、3人がステージから入場し、6万2296人の大観衆をわかせた。

早速、WWEネットワークやWWE公式ユーチューブで視聴できるトーク番組ザ・バンプの7日配信分に3人そろって参加。ユニット名の由来について明かした。カイは「最初から私たちは『コントロール』(支配)という言葉を使っていたのは、WWE女子部門で存在を確立したかったから。少しの間、(負傷や解雇で)レールから外れていたように見られていたからです」と経緯を説明した。

さらにカイは「3人には共通の目標があります。それはWWE女子部門を支配し、手に入れられるものは何でも手に入れ、支配したいということです。そして『ダメージCTRL』という名前が頭に浮かび、全員が同意したと思います」と振り返った。ダメージ・コントロールと言えば、アベンジャーズのVR作品や、劇場版スパイダーマンに登場する異星人などの残骸の処理・保管を目的とする組織を頭に思い浮かべる。世界的にも親しみやすい、認知度が高いユニット名と言えそうだ。

ダメージCTRLはユニット結成からすぐにロウ、スマックダウンの両大会に姿をみせ、次々と対立構図を演出している。最初に襲ったのは前ロウ女子王者ベッキー・リンチで肩負傷に追い込んで戦線離脱。復帰まで数カ月かかるとみられているが、リンチ復帰後は対立は必至だろう。そしてCATC大会の6人タッグで激突した現ロウ女子王者ビアンカ・ブレア、アスカ、アレクサ・ブリスとの抗争も続くに違いない。

3人の連係技でフォール負けを喫したブレアからは早速、シングル戦を要求されており、いずれ3人の誰かが王座挑戦するだろう。また将来的にはユニットに新しいメンバーが加入する可能性もある。米メディアでは早くも元WWEティーガン・ノックス、スマックダウン所属のショッツィが候補として挙がっている。

真っ先に照準を合わせているのがWWE女子タッグ王座にほかならない。次週ロウ大会では、スカイ、カイ組が同王者ラケル・ロドリゲス、アリーヤ組に再び挑戦する。8月下旬のWWE女子タッグ王座決定トーナメント決勝では敗れているだけに雪辱戦でもある。WWE女子部門を支配するユニットになるための勢いは十分にあるだけに今後の展開が楽しみだ。【藤中栄二】(ニッカンスポーツ・コム/連載「WWEの世界」)

ロウ大会の大観衆の声援を浴びながら存在を誇示するユニット「DAMAGE CTRL」。左からダコタ・カイ、ベイリー、イヨ・スカイ(C)2022 WWE, Inc. All Rights Reserved.
ロウ大会の大観衆の声援を浴びながら存在を誇示するユニット「DAMAGE CTRL」。左からダコタ・カイ、ベイリー、イヨ・スカイ(C)2022 WWE, Inc. All Rights Reserved.
「DAMAGE CTRL」がユニット名になったダコタ・カイ(左端)、ベイリー(中央)、イヨ・スカイ(C)2022 WWE, Inc. All Rights Reserved.
「DAMAGE CTRL」がユニット名になったダコタ・カイ(左端)、ベイリー(中央)、イヨ・スカイ(C)2022 WWE, Inc. All Rights Reserved.
7月30日のサマースラム大会でカムバックしたイヨ・スカイ(左端)、ベイリー(中央)、ダコタ・カイの3人(C)2022 WWE, Inc. All Rights Reserved.
7月30日のサマースラム大会でカムバックしたイヨ・スカイ(左端)、ベイリー(中央)、ダコタ・カイの3人(C)2022 WWE, Inc. All Rights Reserved.