北海道のプロレスの「聖地」が、歴史に幕を下ろした。数々のバトル名勝負が繰り広げられてきた札幌テイセンホールが、施設の老朽化により6月30日の興行を最後に閉館になった。

 最終日は「札幌テイセンホールプロレス・ラストマッチ~Sapporo Limelight」と題して、主催した大日本プロレスはじめ、他団体のレスラーが集結。11月限りでの引退を表明している天龍源一郎(65)もセミファイナルに登場した、また、13年に引退した小橋建太さん(48)が「10分1本勝負」のトークショーで思い出を回顧。代名詞の「青春の握り拳」を合図に「いくぞ-っ」と声を張り上げ盛り上げた。会場は満員札止めとなる1144人のファンで埋まった。

 同施設では、95年に大日本が初めてプロレス興行を実施。札幌中島体育センター別館(99年閉館)、スピカ(08年閉館)がなくなり、札幌での主会場としてファンに親しまれた。ボウリング場を併設していたこともあり、大日本のグレート小鹿会長(73)は「最初に興行をしたときはボウリング場でやるのかと笑われたが、どこの団体もやるようになった。寂しいね」と懐かしみながら、閉館を惜しんだ。最後は全選手がリングに上がり、「ありがとう テイセンホール」「お疲れさま テイセンホール」と書かれたボードを手に、ファンと一緒にホールに別れを告げた。