WBA世界スーパーフライ級王者河野公平(35)は3度目の防衛に成功した。河野は同級7位インタノンから、4回の右ストレートを口火に3度ダウンを奪って判定勝ちした。

 河野は7回までに3度のダウンを奪い、最後までパンチを出し続けた。インタノンの驚異の粘りも判定はジャッジ3者とも119-106の圧勝だった。「倒したかった。仕留められなかったのが課題」と反省も、充実の防衛戦だった。

 快勝の要因は「これまでの世界戦で最高」というコンディションだった。支えてくれたのが昨年3月に結婚した、シンガー・ソングライターのみなみらんぼうの長女、妻の芽衣さん(35)だ。昨年10月の2度目の防衛戦は米国で、今回が結婚して初めて迎える国内戦。タイトル戦前でイライラする河野を気遣い、インストラクターを務めるヨガの施術で、これまで試合のたびに感じていた背中の張りを解消してくれた。食事も河野の減量に合わせ、芽衣さんもやせてしまった。「奥さんのためにも勝たないといけなかった」と話した。

 河野は7月2日に都内で結婚式を挙げることを、防衛戦が終わるまで、明かさなかった。結婚時に芽衣さんの母から「結婚式を挙げてほしい」と頼まれていた。その約束を最高の形で果たした。「試合前に奥さんに(結婚式のことは)言わないでと注文していた。つらい思いもさせたけど、これからは奥さん孝行します」。これからも夫婦二人三脚で、チャンピオンロードを歩んでいく。【桝田朗】