5月の王座決定戦の展開はガードを固めて前進する村田に対し、エンダムは足を使い手数を集めた。4回に村田がダウンを奪ったが、詰め切れず採点で敗れた。第2戦の勝敗の鍵を握るのは何か。

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 展開自体に大きな変化はないだろう。自分の強さに確信を持った村田は、前進でプレッシャーをかけ、威力あるパンチをちゅうちょなく打ち込める。有効打をもらわなかったブロック技術も武器で、あとは詰め切れるかどうか。「前回はリスペクトしすぎた」。1試合で5度ダウンしても12回を戦いきった経験を持つエンダムの回復力を過剰に警戒し、「行くべきところで行かずにチャンスを逃した」と反省する。好機の見極め、倒しにいく判断が鍵となる。

 エンダムは「同じように倒しにいく。前回の試合とは同じ展開にはならない」と発言したが、アウトボクシングを変える姿は想像しがたい。狙うのは前戦以上に踏み込んでくるであろう村田へのカウンターか。昨年の試合では1回22秒に右1発でKO勝ちを収めているなど、強打の怖さはある。

 村田は「前に出ればスタミナを消費するリスクはあるが、背負う覚悟です」と言い切る。前回の1回に出したパンチは3発だけだった。「今回は10発は出すんじゃないですか」。笑顔で予想する姿に熱戦への期待が高まる。【阿部健吾】

 ◆ボクシングの直接再戦 基本的に行われない。勝利を分け合う八百長の可能性も生じるため、契約書に条件を入れることは許されない。王座決定戦→タイトル戦の連戦は国内ジム所属では06年の亀田興-ランダエダ戦のみ。通常、王座決定戦の勝者は指名試合を義務づけられる。