今大会でG1クライマックスを卒業する19年連続19度目出場の永田裕志(49)が、最後の夏を終えた。Aブロックでバッドラック・ファレと死闘を展開。かつての教え子の体に、貫き通したストロングスタイルをたたき込んだ。1勝8敗と過去最低の結果も、試合内容で「永田ここにあり」を示し、完全燃焼した。

 リングに大の字にのびた永田の表情が、放心状態から笑みに変わった。自身のプラカードがリング周辺を埋め尽くし、ファンの声援が会場を包んだ。リングに座り込んで泣いた。19年連続19度目、G1最多の歴史を刻んできた永田の最後の試合が終わった。

 「最後まで現実は厳しかった。こんな成績は初めてだけど、戦った全員が誰ひとりすかすことなく、真っ正面からオレをつぶしに来てくれた」と最後のG1を振り返った。今年限りと決意して臨んだ大会。「最後の花道に」と野心を持って挑んだが、結果は1勝8敗。それでも、棚橋や内藤らと互角の戦いを演じ、そのストロングスタイルを相手の体に刻みつけた。