棚橋弘至(41)がIWGPインターコンチネンタル選手権V4で、再び頂点へ復活のノロシを上げた。昨年11月に右ひざを痛めて以来の再起戦で、反逆の次世代外国人へ変貌したジェイ・ホワイト(25)を迎え撃った。右ひざを徹底して攻撃されたが、最後はハイフライフローの連発で仕留めた。セミからも格下げされての若手との防衛戦で格の違いを見せ、再びメインで輝くことを誓った。

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 白いベルト守ること4度目にも、棚橋は満足していなかった。「もっと簡単に勝たないといけない。ジェイはまだ粗いし、若い。彼の輝かしい未来は今じゃない」。世代交代を阻んでの再起は、新たな出発だった。

 昨年11月に右ひざ故障で戦線を離脱した。本格練習を始めたのは10日前。医師から「再発の可能性もある」と言われた。そのひざを徹底して攻撃された。ねじられ、蹴られ、のしかかられた。技の途中で倒れ込み、苦痛に顔をゆがませ、うめき声を上げた。

 捨て身とも言える場外へのハイフライフローで、形勢を変えて反撃に出た。ホワイトの必殺技ブレードランナーをスープレックスで返す。最後はハイフライフローを背中に、正面にと連発で決着をつけた。

 12年1・4ではIWGPヘビー級王座防衛も、2月には凱旋(がいせん)のオカダに王座を奪われた。ホワイトも昨年11月の大阪で防衛直後にリングに現れた。青い目のヤングライオンは反逆の次世代外国人に変貌。瞬く間にKOされ、12月にも襲撃KOされた。またも踏み台にされるわけにはいかなかった。

 1・4では16年メイン、17年セミで、今年はさらに前になった。8年ぶりのこと。「プロレスラーに試合順はものすごく大事。1つでも上げたい。話題の中心でいたい」。さらに「チヤホヤされたい」とニヤリ。大観衆に「久しぶりのドームでうれしい気持ち。でも悔しい。おれがメインで4万人を集めたい」。100年に1人の逸材が再び輝きを求めていく。【河合香】