武井壮(44)が16日、文化放送で放送された特番「武井壮のガッとしてビターン!」で、親交が深いプロボクサーの比嘉大吾(22=白井・具志堅スポーツ)が、体重超過でWBC世界フライ級王座を剥奪された揚げ句、級2位クリストファー・ロサレス(23=ニカラグア)に9回TKO負けした件に触れ「ルールを変えなきゃいけない」と訴えた。

 武井は、「比嘉選手は、日本の世界王者として初めて世界戦で体重超過をやってしまったことは汚点を残したなと思います。僕は普段かわいがっている後輩だし、仲の良い友人でもあるけれど『やっちゃったな、やってはいけないミスを犯したな』と思っています」と比嘉を厳しく批判した。

 その上で、山中慎介さんがWBC世界バンタム級タイトルマッチで、前日計量の大幅な体重超過で王座を剥奪された前王者ルイス・ネリ(メキシコ)と再戦し2回TKO負けした件と比較し、比嘉の今回の体重超過は「最大級の迷惑をかけなかったことが救い」と語った。

 武井 (山中さんとネリの試合は)体重超過してかなり重い状態で作ってきて、体力を消耗していない選手と試合をして2ラウンドでKOされてしまうっていうようなことが起きてしまった。まともに体を作って絞って削れた状態で試合会場にきてたった1日リカバーした分で戦う、という今のボクシングのルールを守らなかった選手にメリットがあるということなんですよ。(中略)ただ今回の比嘉選手は負けたから。調整に失敗して、パワーもなくて、しかも相手も強くて。だから、やられちゃった側がデメリットを被っていないからまだ良かった。比嘉選手が最大級の迷惑をかけなかったことが救いだったと僕は思っていて。

 その上で「きちっと作った挑戦者がチャンピオンを打ち負かすということ以外に幸せなゴールが何一つないということになっちゃう。だからルールを変えなきゃいけないんじゃないかなあと」とルール改正を訴えた。そのポイントは

 (1)初日の計量でオーバーしちゃったらその時点でハンディマッチにする。例えば12ラウンドある中を3分割して4ラウンド分、4ポイント減点した状態からスタートするとか。そしたら例えば、数百グラムのオーバーを2回目の計量までに落として来たら、そのポイントだけで済む。4ラウンド取れているんだからもう無理して攻める必要ないし、しっかりパンチを見られるし、一方相手はしっかり攻めていかないと取り戻せないから体力も使うだろうし。フラット(平等)にはならないけれど、そこでちょっと少しやってしまった側にハンディキャップを与えられるじゃないですか。

 (2)2回目の計量もだめでした、そして当日の何キロまでに抑えてくださいというところまでを守った。つまり今回の比嘉選手のように、1日目の計量が全部だめだったら、もうその時点で、王座移動でいいと思う。相手がチャンピオンでいい。それでも興業の問題で試合を行わなくてはいけないんだったら、まずチャンピオンが入れ替わった状態で、比嘉選手がチャレンジャーとして挑戦することになる。しかもそこにハンディキャップがもうある。しかも初日のハンディキャップよりも二日目の方が大きくて、判定になったらもう勝てない。KOして勝った場合だけ無効試合になる。チャンピオンを奪った選手はチャンピオンのまま。

 武井は「賛否あると思うんですけど、けどまあ危険性をはらんだ試合を行う、体重超過をしていない選手にメリットを与えるという意味ではこのくらいないといけないと思う」と持論を展開した。