IBF世界ミニマム級王者京口紘人(24=ワタナベ)はダウンするも3-0の判定勝ち。プロ10連勝でV2に成功した。

 V2防衛の味は、ほろ苦かった。3回終盤、京口がこめかみに受けたパラスの左フックで「一瞬、効いた」と倒れた。アマを含めて人生初ダウン。脱水症状で試合途中に両太ももに張り、8回に右足がつりそうになった。ポイントを失ったのはダウンした3回を含めて2ラウンドのみ。主導権を握った判定勝ちにも、反省の弁が続いた。

 「不用意なパンチをもらったらダメですね。年下の挑戦者なので、試合前はボクシングを教えると言ったのに、ダウンを教えてもらってしまった。命がつながったような試合」

 3度目の防衛戦は9月に控える。約8キロもの減量がある京口に向け、渡辺会長は「ウルトラCでブドラーに挑戦させてもいい」と2階級挑戦の計画をぶち上げたが、京口は「転級はいずれ」と慎重な姿勢。ミニマム級で「統一王者になりたい」と、WBO王者山中との団体統一戦を希望した。

 世界王者になっても「つつましい、質素な生活。貯金もしている」(渡辺会長)という京口は、担当の井上トレーナーから「ケチグチ」といじられる。財布のひもが固い京口は「この試合は良いキャリアになった」と気も引き締めた。【藤中栄二】

 ◆京口紘人(きょうぐち・ひろと)1993年(平5)11月27日、大阪・和泉市生まれ。3歳から父寛氏の道場で空手、12歳でボクシングを開始。大商大では主将を務め、14年国体優勝、15年台北市国際カップ準優勝。16年4月、2回KO勝ちでプロデビュー。身長161・8センチの右ボクサーファイター。