ボクシング・トリプル世界戦に臨むWBO世界スーパーフェザー級王者伊藤雅雪(27=伴流)が19日、都内のジムで公開練習した。30日に東京・大田区体育館で、同級1位エフゲニー・チュプラコフ(28=ロシア)と対戦する。7月に37年ぶりで米国での王座奪取から5カ月ぶりの凱旋(がいせん)試合で、初防衛戦となる。

スパーリングはしなかったが、入念なシャドーに始まり、岡部トレーナーを相手にマスボクシング、サンドバッグ打ちなどで約1時間汗を流した。11月11日から17日まで5週間、米ロサンゼルスでスパーリングを積んできた。15年から試合前は恒例。今回は週3回10回ずつこなすなど、渡米前を含めて300回にも及ぶ。「米国でやることはやってきた。つらかったがすごい収穫もあった」と、手応えを感じている。

前回は終始前に出て攻め続けた。アウトボクサーだったが、接近戦での戦い方の感覚をつかんだ。今回はジャブで試合をコントロールするつもりだ。中でも接近戦でのジャブをスパーのない日にも、20回のマススパーで繰り返し練習してきた。「ボクの空間を意識し、完成型が見えてきた」とまで話した。

「今はリラックスしている。頭の中を整理して、集中していく」。王者としての日本で初の世界戦。トリプル世界戦で初のメイン。初のゴールデンタイムに全国生中継。燃える材料には事欠かない。「1回に様子見はしない。攻め続けてギブアップさせたい。年末はボクが締める」と宣言した。